AIで鉄塔や橋梁の錆を検知。領域特定も

sugitec

こんにちは。先日の日経新聞で、政府が重要インフラのために18年度から20年度までの3年間で、予算を3兆円投じるという方針を固めたという報道がありました。

年末の19年度予算案では1兆円程度を計上することになり、当初予算ベースの公共事業開発費は7兆円規模に。これは前年度よりも最大2割増で、10年ぶりの高水準になるとのこと。これによって公共事業費も大きく増額され、当初予算の一般会計総額は初の100兆円を超えそうだということです。尚、財源は建設国債の発行でまかなうようです。


出典:日本経済新聞
画像引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3852278004122018000000/

過去の老朽化したインフラの補修には莫大な費用がかかりますが、一刻も早い補修をする必要があります。この流れから見て、今後はドローンを始めとするテクノロジーを活用しての点検需要が益々高まるのは間違いないでしょう。

さて、本日はそんなテクノロジー(今回はAI)を活用した点検技術の話題。

鉄塔、橋梁などの錆の点検業務がAIで効率化

企業の課題を解決するためのAIソリューションである「AMY」を開発・提供するオートマギ株式会社は、画像や監視カメラの映像から鉄塔や橋梁の錆の発生の検知や、発生範囲を特定することが可能なAIソリューションを開発。

このソリューションを導入することで、鉄塔や橋梁など、これまで定期的に作業員がおこなっていた目視などの診断作業の工数削減と、領域特定を高い精度で効率的におこなうことが可能となります。


出典:Automagi株式会社

背景

鉄塔や橋梁などの設備に多く使用されている耐候性鋼材は、錆の補修塗装や除去に多大な労力が発生し、早期に錆を検知して補修をおこなうことが重要になってきます。また、錆の目視による点検業務は、作業員の熟練度によって錆の発生範囲の特定が左右されるという課題があります。

多くの調査現場でよく耳にする問題ですね。目視での診断となると、完全に個人の経験と技量が結果に繋がるので、不完全な検査になってしまうというリスクがあります。かといって熟練者が不足してきている昨今、熟練者にばかり負担をかける訳にもいかない、というのが現状です。

ソリューションの特長

このAIソリューションでは、鉄塔や橋梁を撮影した画像や監視カメラの映像から、深層学習(ディープラーニング)によって錆の発生の検知とその領域の判定がおこなえるようになっています。


出典:Automagi株式会社

また、錆ごとに細かく腐食の度合いの判定も数値化できるため、ある程度腐食が進んだ段階で検知をおこなうということも可能。

まとめ

このAIソリューション技術は、オートマギ社がこれまで培ってきた様々な画像処理技術が活用されているそうで、今後は腐食の検知以外にも同じ手法を使ってクラック(ひび割れ)や領域破損の検知にも取り組んでいくとのことです。

これはドローンと組み合わせることで、さらに調査の効率化に繋がりそうですね。

ひび割れの検出などは、弊社でも専用のソフトウェアを使用することがありますが、やはり今後さらに精度を高めていくにはAIによる検出を取り入れていく必要があると感じます。

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