こんにちは。以前にドローンを活用して枝豆の栽培をおこなった「スマートやさい」の「スマートえだまめ」のご紹介をしましたが、今回はなんと日本酒に活用するという話題です。
スマートえだまめに関しては福岡三越で通常枝豆の約3倍の価格で販売されましたが、それでもあっという間に完売してしまったということ。何かネーミングから受けるイメージがあるのでしょうね。
会津若松市協力のもと取り組まれる実証事業
この実証事業はKDDIと野村総合研究所、会津アクティベートアソシエーションによるもので、野村総合研究所が総務省から受託した「郊外において高速データ伝送やIoTサービス等を支える次世代モバイルシステムの技術的条件等に関する調査検討」において取り組む事業。
地元農業・酒造関係者である会津よつば農業協同組合や福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センターなど、会津若松市の協力も得ているそうです。
人口減少、少子高齢化など後継者不足による負荷軽減を目指す
日本酒造りの工程のひとつである米作りにおいては、圃場(ほじょう)全体の生育状況の把握が難しく、酒造りでは人口減少、少子高齢化、杜氏(とうじ:蔵人の監督)の引退などで、醸造管理の知見が失われるとともに、後継者不足による酒造りの負荷が増しているそうです。
このような状況を受けて、この実証事業では5G通信やドローンなどをはじめとしたIoTソリューションを酒造りの工程に導入。作業効率化や負荷軽減を目指しています。
各工程にどのようにソリューションを使っていくのか
米作りには4G LTEを活用したスマートドローンを導入することで遠隔からの稲の生育状況の把握。酒造工程では5Gを活用した4K映像の伝送によるもろみ熟成の管理。
出典:KDDI
配送工程では温度管理タグの活用等、それらを検証することで日本酒造りの工程の幅広い効率化を目指し、地場産業の活性化にも貢献するとのこと。
各工程での具体的な調査項目
◆米作り
・スマートドローンにより酒蔵からの遠隔制御及び、圃場のリアルタイム映像配信をすることで米づくりの業務効率化を実現。
・ドローン撮影画像の葉色解析から収穫時期を予測。
◆酒造り
・もろみ管理を各種センサーでモニタリング・記録することで暗黙知を見える化する。
・見える化し遠隔監視を可能とすることで業務効率化を図る。
◆配送
・輸送時にバッテリー内蔵型のRFID温度ロガータグ(RFIDとは電波を用いて情報を読取る非接触型の自動認識の仕組み)
◆プロモーション
・4KとVRを用いて、製造工程の解説動画を遠隔地の消費者へ届ける体験型のPRを実施。これにより距離的問題を解決。
・海外向けのPRにおいて翻訳を活用し動画等の配信をおこなうことで言葉の問題を解決。
まとめ
同じようなことをやっている所はないかと調べてみると、ヤンマー株式会社が農家にドローンを使ったリモートセンシングや土壌診断などのツールを提供し、農作業の効率化や収量安定、品質向上に繋げるという取り組みを実施されていました。
その中で日本酒メーカーの「沢の鶴」と組み、ヤンマーの提案で作られた米を使った純米大吟醸が発売されているそうです。
出典:ヤンマー(ヤンマー酒米プロジェクト:純米大吟醸「X01」)
上記のお酒は残念ながら4000本限定ということで、見た限り今はもう完売していますね。しかしまた同じように第二弾第三弾と出てくることでしょう。
今回ご紹介した会津若松のケースの場合も、新たにドローン、IoT工程で造られたお酒という形で出てくるかもしれませんね。