こんにちは。以前にリコーさんとデンソーさんが、車載用で歩行者や車両、路面の状態までをも認識することができるという、ステレオカメラを共同開発したというご紹介をしましたが、あれから2ヶ月。
今度はステレオカメラを複数台車両に装備し道路を走行することで、路面の「ひび割れ」や「わだち掘れ」「平たん性」などのデータを自動的に取得するシステムが、土木研究センターの性能確認試験に合格したそうです。
ちなみにステレオカメラとは左右に2台並んでいるカメラのことで、カメラそれぞれの視差情報を利用し、奥行きなどの3次元情報を得られる仕組みになっています。
出典:RICOH
路面性状モニタリングシステムとは
このシステムは車両に複数台のステレオカメラを装備し、走行・撮影をおこなうことで以下の情報が簡単に計測可能となります。
1.複数台のステレオカメラの画像を幅員方向に結合した結果に基づき「わだち掘れ量」が計測可能。
2.複数台のステレオカメラのいずれかの走行進行方向の画像統合結果に基づき「平たん性」の計測が可能。
3.画像統合は3次元統合画像を得るだけでなく、撮影画像の特徴点同士を画像結合したものから輝度画像の結合画像を生成可能で、その結合画像から「ひび割れ率」の判読が可能。
ステレオカメラを搭載した自動車で道路を走るだけで「ひび割れ」「わだち掘れ」「平たん性」の3要素が計測できてしまうという、効率性の高い物となっています。
人工知能での判読も
撮影した画像から1辺50cmのメッシュを自動生成。そこからひび割れの本数をAIが自動判別できるようになっています。
出典:RICOH
さらに、それぞれ取得された3つの要素データから、維持修繕判断のための総合的な指標である「MCI(Maintenance Control Index)値」を算出し、調書作成を支援できるようです。
出典:RICOH
また、結果を地図上にマッピングし道路の舗装状態を可視化できるようになっています。これは一目瞭然でわかりやすいですね。
まとめ
従来の計測では、専用車両を使う方法でおこなわれてきましたが、例えば人が手作業で動かす車両の場合は、時間とコストが膨大にかかっていましたし、計測専用の車の場合は生活道路まで入ることができず、主要道路以外は計測できないような状況でした。
出典:RICOH
今回のステレオカメラを使った調査方法の場合は、小回りもきく一般車両に搭載が可能なので、主要道路以外にもより多くの道路での計測が可能になっています。
この技術は、道路舗装の維持管理以外にもトンネルや橋梁など様々な社会インフラの維持管理にも応用可能とのことで、ここからの拡がりがまた楽しみな技術ですね。