こんにちは。本日から8月に入りいよいよ夏本番、真っ只中という感じです。本日も非常に暑い日になり、これがまだ続くのかと思うとウンザリしてしまいますが、体力を維持しながら乗り切っていきましょう。
それにしてももう8月。夏が終わり涼しくなってきたな、となればすぐにバタバタと年末がやってきますね。しっかり計画を立ててやっていきましょう。
本日はi-Construction技術にあたる、重機にレーザー計測システムを搭載し、3次元の出来形管理に活用できるというシステムのご紹介。大和ハウスグループである、株式会社フジタとジオサーフCS株式会社の共同開発となります。
2次元レーザースキャナーを活用したシステム
このシステムの概要ですが、重機に搭載されたレーザースキャナーにより、重機で移動しながら現場の任意の位置で出来形座標を取得できるようにしたシステムです。
使われているレーザースキャナーは、高額で耐久性に課題のある3次元スキャナーではなく、屋外用で安価に導入できる2次元スキャナーを活用しています。汎用性があり普及性の面でも断然優れていますね。
出典:フジタ
2次元のスキャナーでどうやって3次元データを取得する?という所ですが、これは重機自体を回転させて計測することで3次元データが取得できるそうです。
開発背景
ICT建機による作業の効率化は、重機運転の経験が浅いオペレーターでも熟練者と同等の作業を可能にする、という目的があり実際にそういった事を実現しているICT建機もあれば、その目的を達成しきれていないものもあります。
本件の場合、現状のICT化では重機オペレーターへ作業中の刃先位置を表示し、設計ラインを超えないように誘導する技術となっており、操作の簡便化は図れているものの、作業面の形状変化や設計面との差分がわからないために、施工中の出来形精度を確認するために巻き尺やレベルでの計測が必要になります。
出来形の良否も計測したデータから後処理の解析で判断するために、リアルタイムでの確認とはならず、多大な時間と労力を必要としていました。
システムの5つの特長
1.屋外用の安価な2次元レーザースキャナを使用することで、高価で耐久面でも課題のある3次元スキャナと比べて汎用性と普及性が高い。
2.進捗に応じた部分的計測で、簡易的な出来高数量の算出が広範囲で可能。
3.重機に外付けする容易な導入方法。計測もタッチスクリーンで操作可能。
4.ドローン測量のように天候の影響を受けることなく、安定した測量が可能。
5.計測時間が短時間で済むので、測量作業が大幅に省力化。
システムの検証結果
このシステムを実際に岐阜県土岐市土岐口財産区発注の土岐口開発造成工事に導入して精度検証を実施した結果、測定距離15m以内において±50mm以内の精度で計測できることが確認されたそうです。
これは国交省で示された出来形管理の基準値を満たすものであり、この計測データをICT建機と連携することで、測量作業が効率化されるとともに高精度の施工やデータ管理の簡略化が可能となります。
出典:フジタ
まとめ
ドローンを使ったレーザースキャナの測量などは、このブログでも何度かご紹介してきましたが、何も測量の効率化にはドローンを利用しないといけない、ということはありません。
今回のように従来からある安価で汎用性があるパーツを活用することでも、生産性の向上に繋がるシステムも開発することが可能です。発想次第というところでしょうか。
今まで熟練者の経験やアナログ技術が生産性に繋がっている所が大きかった業界ですが、ソフトウェアやハードウェアが大きく進化してきている昨今、既存の機器や簡易的な機器でも使い方によって求めるデータを取得できるというパターンは多くあると思われます。
以前に加工機械に使わなくなったスマートフォンを取り付けてカウント数を取得し、生産性を可視化するという「生産性見え太君」というIoTアプリがありましたが、あれが端的な例ではないでしょうか。
様々な先鋭的技術が出てくる昨今ですが、そこから頭を離し今あるもので何かできないか頭を撚るのもいいかもしれませんね。