こんにちは。建設業界に限らず、製造業の現場でもIoTを駆使した作業の見える化技術が日々出てきています。本日ご紹介するのは、パイプ加工製品などの製造を手掛ける武州工業株式会社開発のIoTアプリ。
こちらは工場の設備の稼働率を可視化できるスマートフォンアプリとなっており、AppStoreやGooglePlayよりダウンロードできるようになっています。
出典:武州工業株式会社
生産性見え太君の特徴
通常、プレス機などの摺動部分がある機器にはショットカウンターがあり、生産数をカウントすることはできますが、そのカウントされたショット数になるまでのペースや、現状ペースの把握はできません。
そこで、この「生産性見え太君」ですが、スマートフォンをプレス機に貼り付けるだけで、摺動部の稼働状況を把握できるようになります。プレス機の摺動部分が動けば、それを加速度センサーが感知して記録するというシンプルなものです。
出典:武州工業株式会社
センシングにはスマートフォンに内蔵されている、XYZ3軸の加速度センサーを利用するので、特別に何かモーションセンサーを用意する必要はありません。
出典:武州工業株式会社
データ送信のための通信手段に関しても、WifiもしくはLTE通信で可能。そもそもスマートフォンを利用するので、LANケーブルなどの配線が必要になることもありません。
カウンターではなくペースという概念
生産性見え太君を活用することで、単純にカウント数を見る、ということではなくカウント動作中、要は作業のペースが順調なのか?目標数に対しての進捗具合はどうなのか?早いのか遅れているのか?という部分の分析に活用できるということです。
出典:武州工業株式会社
動作中は良いペースなのかどうかが、アプリ画面に色とグラフで表示されるようになっており、一目で進捗を知ることが出来ます。
後、作業中に何らかの理由で機械を停止した場合、その停止情報も取得。その場合に停止理由をタップすることで、休憩によるものなのか問題が起こったからなのか、ということも設定でき、後でどれくらいの時間をどんな理由で停止していたのかが、これもグラフで可視化されます。
出典:武州工業株式会社
まとめ
このソリューションを見たときに、スマートフォンを有効活用しているのが上手いな、と感じました。スマートフォンには加速度センサーはほぼ搭載されています。そして今の時代、スマートフォンであれば大体の人は古くなって使わなくなった物があるはずで、そのスマートフォンを有効活用できてしまうのは良いですね。
通常は専用の装置なんかを開発してそれを機械に取り付けて、となる場合が多いと思いますが、そうなると費用が掛かる分普及の足は鈍るでしょう。このアイデアは見習うべきところだと思います。
この生産性見え太君のアプリは可視化だけの使用は無料で、記録したデータをCSV形式などで出力したり、クラウドを利用して詳細な分析をする場合は別途契約が必要とのことです。