こんにちは。昨日は朝から大荒れの天気でしたが本日は一転して穏やかな天気。ようやく活動しやすい季節になってまいりました。朝晩の寒暖差にだけ注意して体調を崩さないよういきましょう。
本日は三井住友建設株式会社が、東京大学大学院工学系研究科の野口貴文教授と、東京理科大学理工学部の兼松学教授の協力を得て、新たな高性能コンクリートを開発したという話題。
持続可能性に貢献「サスティンクリート」
その新しいコンクリートの名前は「サスティンクリート」。そもそも「コンクリート」という名称は、CON(共に、協力して)+ CRETE(成長する)というのが語源と言われています。
その「CONCRETE(コンクリート)」に、SUSTAIN(持続させる)という単語を併せた造語で「サスティンクリート」としているそうです。
この名称には「コンクリート構造物の環境側面を含めた生産活動、ならびに品質を持続的に成長させるコンクリート」という意味が込められています。
サスティンクリートの5つの特長
特長は何と言っても、ひび割れの原因となる乾燥や自己収縮がほとんどない。という特長の他に、硬化時の発熱も極小。
大規模な構造物を作る際に用いられるマスコンクリートがありますが、マスコンクリートの問題でもある「温度ひび割れ」への対策が不要というのが大きな特長。
出典:三井住友建設 サスティンクリート打ち込み状況
1.超低収縮
ひび割れの原因となる乾燥収縮と自己収縮。どちらもほぼゼロ。
2.超低発熱
硬化時の発熱が極めて小さい為、マスコンクリート対策が不要。
3.超低炭素
一般的にコンクリートに用いられるセメントであるポルトランドセメントを使用しない条件においても製造が可能。ポルトランドを使用しないことでCo2排出量を大幅に削減。
4.高流動
流動性が高く、充填不良による不具合の防止や作業の省力化に貢献。高い流動性は様々な形状に対応できるので建築デザインの可能性を広げます。
5.高強度
高強度コンクリート(70N/m㎡以上)で高層の構造物にも対応可能。
現在、これら全ての特長を備えているコンクリートは存在しないということです。このコンクリートを使用することでひび割れのリスクがほぼゼロになるだけでなく、生産性、意匠の可能性、環境配慮性に至るまで高められます。
出典:三井住友建設
出典:三井住友建設
また、このサスティンクリートですが、一般的なコンクリートに使用される材料で製造できるので、何か特別な設備や材料は必要ありません。
三井住友建設では今後の展開として性能を高める為のさらなる研究をおこない、建築と土木の両分野における幅広い適用を推進していくそうです。
まとめ
写真はサスティンクリートで製作したという造形物ですが、特に右側のオブジェのような物がコンクリートとは驚きです。かなりの流動性の高さだと思います。その上これでひび割れのリスクがゼロというのですから、素晴らしい技術・製品です。
出典:三井住友建設
勿論、経年劣化や自然災害などもありますので永続的にリスクのないものではありませんが、一般的なものよりも圧倒的に持続可能性が高いということはそれだけで環境にとって良いことですね。