VRでの事故体験を安全教育に活用

sugitec

こんにちは。昨今の技術の中でも体験がメインとなるVR技術。最近ではVR専用のアミューズメント施設が全国各地にできてきており、エンターテインメントやゲーム産業ではどんどんと広がりを見せています。

どうしてもエンタメのイメージが強くなってしまいがちなVRですが、エンタメ産業以外では不動産業界は言うまでもなく、建設業界の方でもその技術活用が徐々にですが始まってきている印象を受けます。

奥村組が除染土のうの輸送運転と事故体験にVRの活用

奥村組は除染土のうを高効率に輸送するために、輸送統合管理システム(インフォクロス)を開発しています。そこに新たにVR技術を活用した運転手の教育機能と、事例のデータベース活用機能を新たに追加。


出典:奥村組

本年1月よりすでに試験運用を開始されたようです。ちなみに「除染土のう」の「のう」とは袋のことです。

インフォクロスというシステム

これは除染土のうの運搬車両、作業者の位置や数、放射線量などといった現場の各種情報をリアルタイムに取得して集約。情報の一元化を図ることで、除染のうの輸送に関する管理業務を効率化できるというシステムです。


出典:奥村組

輸送における交通状況を加味した、最適な輸送順序の選定、運行ルートの選定などもおこなえます。放射線が含まれているものになるので、事故は絶対にあってはいけないもの。

こういったシステムで管理することで、業務の効率化もそうですが、そういった危険の芽を摘み取るシステムと言えます。

新たに追加されたVR機能

さらに安全性を高めるために今回追加されたのがVR機能。インフォクロスシステムに取り込まれている運行ルート周辺の映像情報と教育カリキュラムをベースとし、運転手が仮想現実空間の中で未体験ルートの運行をおこなったり、実体験の許されない重大事故を体験学習することで、危険予知と意識を高めるというもの。


出典:奥村組

人が運ぶものになりますので、どうしてもヒューマンエラーの可能性があります。そこを事前に体験することで安全に対する意識も高まるでしょう。

旅行の映像を見るのと実際行って見るのとで全く違うように、テレビなどを使って事故事例を見るだけのものでは絶対に分かりえない、現実と同じ圧倒的な情報量。第三者視点ではなく主観で体験するのがVRです。

まとめ

先日、某大手ゼネコンの安全衛生協力会へ参加したのですが、その中でもVRによる事故の体験教育がヒューマンエラーゼロに向けの施策の一つとして有効という報告がありました。

危険を危険と感じなければ事故は起こります。危険を危険と感じる感受性を養うための教育に、実際に体験するという事はすごく有効であると思われます。

BIMデータを扱われている所では、比較的VRは適用しやすい環境と言えますので、建設業界などでは安全教育を中心に広がってくるのではないでしょうか。

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