こんにちは。京都では昨夜から雪がちらつき、本日朝には薄っすらと積もっています。寒波による冷え込みのためか道路がアイスバーン状態なので、車で出かける場合も道を歩く場合でも注意が必要。気をつけていきましょう。
本日は東芝さんが新たにエッジコンピューティング仕様の「dynaEdge(ダイナエッジ)」というデバイスを発表されたのでご紹介。これは、基本的には現場での働き方をサポートするために開発された製品となります。
携帯型PCとARグラスで現場を支える「dynaEdge」
本体となるdynaEdgeはポケットに入るほどの手のひらサイズの大きさで、重さは310gと計量です。ですがその中身にはWindows10が搭載されている他、現場での過酷な使用にも耐えられるように衝撃吸収のラバーバンドを採用した堅牢設計。セキュリティには指紋認証センサーまで搭載されています。
また、dynaEdgeと併用するARグラスである「AR100」という製品も登場予定のようです。これはメガネ型のデバイスで、本体には情報を映し出す液晶ディスプレーに、小型カメラやマイクが内蔵。dynaEdgeからの電源供給で動作するので48gの軽量仕様です。
dynaEdgeはどんな使い方ができる?
使い方はソフトウェアによってあらゆる可能性がありますが、現時点で東芝さんから示されているソリューション例では以下のようなものがあります。
1.グラスソリューション:ARグラスで作業者をサポート
メガネ型のグラスを装着することで、現場の作業者にグラス上のディスプレイを通して、適確な情報を表示し指示を出すことが可能です。メガネ型の利点はハンズフリーになること。
図面を確認したり電話で指示を仰いだりとなると、どうしても手が塞がりがちで作業が止まったり、都度図面などを確認したりで作業効率が落ちてしまいますが、目の前に指示が可視化されるようになるので、作業に集中できます。
またこれがあることで、経験が少ない作業者でも手順を間違えることなく作業をおこなえるというメリットがあります。熟練技術者の技術継承という点でも活用できそうですね。
2.工場のスマート化:現場のあらゆるデータをデバイスに収集
IoTによる工場のスマート化には、あらゆる分析データが必要です。ポケットサイズのdynaEdgeを作業者が身につけることで、作業者の動線を可視化したり、作業中の加速度や振動、映像のデータを収集。
特に生産ラインのある工場などでは、生産機械と連携させたり定点カメラと連携させることで、そのデータをdynaEdgeに収集し、そのデータをAIで分析・学習することで、作業の効率化に繋がるデータを得ることが出来ます。
3.オフィスのスマート化:会議や働き方を変える
dynaEdgeをテレビやモニターに接続することで、ひとつの大きなホワイトボードにすることが可能。そのホワイトボードには参加者各自の用意している資料などをリアルタイムに、共有することが可能。
遠隔地との会議の場合でも、同様に資料を共有しながら進めることができるので、無駄のないスムーズな会議が出来ます。
dynaEdgeの仕様であるエッジコンピューティングとは?
これは、使用している端末の近くにサーバーを配置する、というネットワーク技法のことです。
今はもう当たり前のクラウドコンピューティング(クラウド)ですが、クラウドの場合は名前からも分かるように、雲です。ユーザーの端末から離れた所にあるサーバーで処理をおこなうので「雲=クラウド」と例えられています。
クラウドのメリットは、性能が低いスマホでもクラウドにアクセスすることで、クラウドサーバーのパワーを借りて処理ができるというところです。一方で例えば命令を実行したりする場合に、遅延が発生する場合があります。
これは使用している端末からクラウドサーバーまでの通信経路が長いためです。場合によっては海外のサーバーまで色々な経路を通ってアクセスをしている時もあります。
そういった経路の長さが通信の遅延に関係してきます。遅延と言っても何十秒もの遅延ではありませんが、例えば自動車の自動運転や遠隔手術などになれば、リアルタイム性が重要でコンマ数秒の遅れも許されないでしょう。
そこで考え出されたのがエッジコンピューティングです。要は遅延のないように、主要な処理をおこなうサーバーはユーザーの近くに置いておきましょうということですね。
まとめ
ARグラスに指示を出す場合、遅延が起こって作業効率が落ちてしまうと意味がありません。業種やシステムによってクラウドかエッジかの選択が大事になりますね。
数年後には、次世代通信規格の5Gも登場してきますし、エッジとの組み合わせでよりリアルタイム性が上がるでしょう。またエッジに通信が分散することで、クラウドへのデータ集中も緩和する結果になればメリットは大きいです。
今回紹介したようなデバイス、今後の現場ではこういったメガネ型のARデバイスを付けて作業をする作業員というのは増えていると考えられます。ゆくゆくは作業指示を出す人も人工知能に置き換わったりするのでしょうか。職種によっては有り得そうですね。