こんにちは。本日はウェアラブルデバイスを使い、現場で働く作業員さんの体調不良などの予防に役立てようというサービスがNTT西日本より登場しました。
安全第一の業界、逆にそれだけの危険などが常に潜んでいるということになります。現場では安全管理のために、朝礼・ラジオ体操・始業前点検・安全巡視等の取り組みがおこなわれている所も多いですが、人員確保が難しい場合は十分な安全管理をするのが難しくなってきていると言えます。
そして安全管理をおこなっていても何が要因となって事故がおこるのか、油断ができないのが現場の怖いところです。
バイタルデータ・位置情報データの活用
2016年、労働災害での被災者数として休業4日以上となる死傷者数は117,910人で、これは前年比で1,599人増となるようです。死亡者数こそ前年よりも44人減という結果になったようですが、派生件数が増えている以上、減少傾向にあるとは言えません。
体調の状態を可視化
そこでNTT西日本さんが鹿島建設さんの協力で、リストバンド型センサーデバイス(富士通製)と環境センサー、いわゆるウェアラブルデバイスを装着し、デバイスを通じて作業者の「脈拍数」「加速度情報」「周辺温度情報」「湿度情報」「気圧情報」など、本人の体調情報や位置・環境情報が取得できます。
出典:NTT西日本
それらの情報はクラウドの「作業者安全支援システム」へと収集され、可視化データとして作業監督者が遠隔地からでも確認できるようになっています。そして作業監督者は現場監督者に対しその状況を伝えることで、リスクのともなう行動などの抑止や体調不良の予防に活用することができます。
デバイスの装着は作業員だけでなく、現場の危険なエリアや建設機器等にも設置。作業員の付けているセンサーから位置情報などを取得し、危険エリアへの接近の把握や、高所作業中であるかどうかの確認もできるとのことです。
出典:NTT西日本
想定利用シーン
・作業員の健康管理
作業員のバイタル情報をリアルタイムに監視。健康状態を把握することで、作業員への休憩の促し(熱中症予防)ができる。位置情報と加速度センサーから、万が一転倒などした場合、どこで転倒したかすぐに発見できる。
・危険区域への立入禁止
位置情報の把握により、危険区域への立ち入りの警告通知。
・作業の効率化
位置情報センサーにより、作業員の動線も把握。クラウドに集められた動線のデータを分析することで、作業の改善に役立てることが出来る。
・災害時の作業員の位置確認
位置情報の把握により災害時の位置確認に活用。
現在このデバイスは実証実験期間中ということで、実際に使用をした作業者や作業現場監督者の意見を取り入れ、早期の実用化を目指しているということです。
作業は本人が無意識にいつものように作業をおこなったり、絶対に大丈夫だと思いこんでしまったりすることもあり、人がやる以上本人の意識だけではどうにもならない場合もありますので、安全は相互での確認が基本ですね。
現場での相互確認は勿論、こういったデバイスで状況が可視化され、人の目が増えるというのは事故の防止には役立つ物になると思われる。