こんにちは。長かったお盆休みも終了し、昨日から営業を再開されている企業様も多いことかと思います。弊社も昨日より営業を再開しています。
8月も中旬ですがまだまだ暑さも続きますので、引き続き熱中症対策など体調管理をおこなってしっかりと頑張っていきましょう。
たわみの計測時間とコストを大幅に削減
本日はデジタルカメラで撮影するだけで、橋のたわみが計測できてしまうという画期的技術のご紹介です。この技術自体は昨年に発表されたものになります。開発はお馴染みの産総研さんとネクスコ東日本、ネクスコエンジニアリング東北との共同開発です。
出典:産総研(たわみ計測の実証実験模式図)
この技術の開発背景としては、近年この業界で問題になっている高度経済成長期に建設された社会インフラが、半世紀を迎えていることによる老朽化。その老朽化した構造物の維持・管理を、高い信頼性を保ちつつ安価におこなう為の技術が必要とされていることがあげられます。
従来の方法の問題点
これまでのたわみの計測では、測定するポイントごとに足場の仮設が必要だったことや、地面と橋梁をピアノ線で繋ぐ作業、たわみの計測用の変位計の設置をする必要がありました(リング式変位計)。
足場仮設のコストの高さや手間は言わずもがな。とにかく手間とコストがかかりすぎるのと、橋梁の直下が海などだった場合、ピアノ線を固定できないという根本的な問題があった為、その場合はたわみ計測すらできないような状況だったそうです。
そこで開発された、たわみ計測技術とは
これには「モアレ縞」という縞模様を拡大した現像を計測時に使用。次に格子模様のターゲットを取り付けた橋梁をデジカメで撮影。
そうすることで、デジカメの画像素子は格子状に配置され、撮影されたターゲットの画像は、縞と格子が重なった状態の画像になります。その撮影画像をデータ処理で格子間隔を近づけ、その変位から数値を算出できるというシステムです。
出典:産総研(モアレ縞の変化)
従来の計測方法では、1個所だけの計測にも足場を組み、ピアノ線と変位計を設置するという事前作業だけで、数日を要していたということですが、このデジカメによる計測にすることで、事前に必要な準備はターゲットの取り付けとカメラの設置のみ。
この準備作業を含めて1日で計測まで完了できることから。従来よりも大幅に日程とコストの削減になるということです。
簡単でありながら高精度なたわみの計測を実現し、老朽化が問題視されているインフラの検査を大幅に効率化できる技術として、現在は実証実験にも成功し、技術の有効性も確認されているとのこと。
今後は同技術を橋梁だけでなく、鉄道橋やトンネルなどといったインフラや、高層ビルなどにも適用していくそうです。
根幹の技術があれば、それを少しの改良で流用できる場面は多そうですね。我が社のSINQAにしても外壁の調査のみならず、様々な調査に派生できるシステムということは了知していますので、今後更に便利なサービスになるようにご期待ください。