概要
農業DX開発事業を行う株式会社Root(以下、Root)は、2024年4月、AR(拡張現実)農作業補助アプリ「Agri-AR」のサービス提供を開始というリリースニュースをお届けします。
AR農作業補助アプリ「Agri-AR」
■Agri-AR公式サイト:https://agriar.root-farm.com
農林水産省『戦略的スマート農業技術等の開発・改良』(生研支援センター)による二年間の研究開発支援を経て実用化
Agri-ARは、2022年4月から農水省予算の支援を受け開発を進めてきました。
主に埼玉県深谷市の農園の協力のもとで実証実験を行い、現場のアイデアを取り入れた結果、以下の全11機能が完成しています。
- 平行直線・ポイントガイド
- 畝・苗シミュレーション
- 面積計測
- 距離計測
- レベル計測
- サイズ計測
- 体積計測
- 移動速度表示
- トラクタ外周算出
- AI果樹熟度判定
- 空間マッピング
例)「畝・苗シミュレーション」「距離計測(GPS)」のデモ動画
Agri-AR公式サイトでは、全機能の詳細説明、デモ動画、使い方ガイドも用意していますので、ぜひご覧ください。
アプリは、スマートフォン・スマートグラス双方で利用可能
Agri-ARは4月からアプリストア(App Store, Google Play)で公開しており、誰でも対象のスマートフォンにインストールし利用できます。
またハンズフリーでの利用を想定し、メタ社によるスマートグラス「Meta Quest 3」のアプリストアでも公開します。(5月末予定)
■iPhoneアプリ(App Store)
https://apps.apple.com/jp/app/agri-ar/id6443877151
■Androidアプリ(Google Play)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.Root.AgriAR
位置情報(GPS, GNSS-RTK)とも連携し、計測データを日誌・マップで管理できる専用サポートページも完備
各種ARガイドや、計測する面積・距離などのデータは、GPSや高精度位置情報「GNSS-RTK」とあわせて利用できます。
特にGNSS-RTKとあわせることで、どれだけ広い圃場でもARガイドを現実空間に誤差数cmのレベルで固定できます。
専用サポートページを用意しており、位置情報データをマップ上で確認することも可能です。
サイズ・体積などのデータも、アプリでの計測からワンタッチで日誌に保存でき、一覧としてCSV出力もできます。
例)サポートページの日誌、マップ機能
不動産・建築・水産など農業以外の分野におけるニーズに
「Work-AR」を同時リリース対応。今後も機能の開発改良を継続。
Agri-ARの機能は、いずれも汎用的な作業効率化に資するもので、幅広い現場作業に役立ちます。
既に、不動産・建築建設・水産などの各分野から問い合わせ・ニーズを頂いており、これらの農業以外の分野にも対応するため、『Work-AR』も同時にリリースしています。
■Work-AR公式サイト
https://workar.root-farm.com
例)農業以外でも利用が期待される「空間マッピング」「ARオブジェクト配置」のデモ動画
今後も、ユーザーの皆様からのご意見やアイデアを参考にして機能の開発・改良を行い、アプリ・サービスに反映していく予定です。
資料引用:Root
おわりに
SUGITECの事業利用と考えれば、『Work-AR』の利用が選択肢としてあがります。
年間ライセンス2本で9,900円はお手頃なのではないでしょうか。お試しとしても現場でのマーキングなどの汎用的な作業効率化が望めそうです。
ライター個人が興味深いのは、農業に「AR」技術を手軽に転用する時代が来たのかという驚きです。
国内農機メーカーもアグリアプリでスマート農業を推進していますが、システム的に高コストになりがちです。たとえば、農地で「空間マッピング」をとるにしても、農機に搭載されたアプリを経由した農地マッピングをすることになり、農機メーカーにデータが縛られるのが実情です。リリースニュースをみるかぎり、「Agri-AR」は、単体のARアプリであるため、農機に縛られることはないのでしょう。
麦わら帽子にスマートグラスをかけたサイバーファーマーが未来の農夫像なのかもせれませんね。
参考・関連情報・お問い合わせなど
□株式会社Root
URL: https://root-farm.com
リリースニュース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000054845.html