概要
株式会社竹中工務店(以下、竹中工務店)は、工事敷地内を自由に移動しつつ、工事事務所としての機能を発揮する「牽引式オフグリッド型モバイルハウス」を開発し、大阪・関西万博工事に本年11月より試験導入というリリースニュースをお届けします。
工事敷地内の移動✕工事事務所の機能
通常、建設工事を行う際には、工事管理のために事務所を設置することが一般的です。
しかし、広大な建設現場では、工事担当者が工事事務所と現地を往復することが大変な負担となります。
このため竹中工務店では、建設現場の生産性向上と執務環境の改善を目指し、新たな取り組みとして「牽引式オフグリッド型モバイルハウス」を導入します。
このオフグリッド型モバイルハウスには、通常の工事事務所と同様の機能が備わっており、作業効率を向上させることが期待されます。
モバイルハウス内観
牽引式オフグリッド型モバイルハウスのイメージ
「牽引式オフグリッド型モバイルハウス」の概要
- 公道走行時は、別途牽引車による移動を行います。
- 既設の電源や通信設備、又は電気や通信のインフラが無い場所でも、ソーラーパネルと蓄電池および制御機器からなる自立電源システムと衛星インターネット(スターリンク:https://biz.kddi.com/solution/starlink/)の搭載により、自立通信が可能です。
- ソーラーパネルで発電した電気は蓄電池に充電され、モバイルハウス内の空調設備や事務機器などに必要な電気を供給します。
- 工事敷地内での移動は、市販の駆動装置(ムーバー)を装備し、リモコンによる低速移動が可能です。
- なお、モバイルハウスは、(株)クロコアートファクトリー社製のRoomette Longを活用し、搭載している自立電源システムは、(株)日立ハイテク様のご協力により、導入されたものです。
導入の背景
2024年4月からの建設業への時間外労働の上限規制の適用に向け、建設工事での業務効率向上が喫緊の課題となっています。
特に万博工事のような広大な敷地では移動の効率化がポイントとなり、そのために本モバイルハウスを活用することで、3Kと言われる建設工事の執務環境の改善にも役立ちます。
このような取り組みにより上限規制に対応した働き方改革の実現につなげたいと考えています。
今回の試験導入は、建設工事における生産性向上や執務環境の改善に貢献する取り組みとして位置づけられ、その効果を検証した上で、移動式工事事務所や作業員の休憩所(熱中症対策室)としての活用展開を予定しています。
今後も、建設業界におけるイノベーションを追求し、より効率的で持続可能な建設工事を実現するために、積極的な取り組みを展開してまいります。
大阪・関西万博の工事現場における活用状況
おわりに
写真からしてクーラー完備の内装。簡易シャワー室も設置すれば、現地で宿泊できるモバイルハウスなのではないでしょうか。
そして、通信網は「スターリンク」を採用しているところにも注目です。
ムービングオフィスという形態とすれば、弊社スギテックでも調査会社として、現場と本社拠点がどれだけ離れていても、即座に建物調査データを共有し、解析されたデータはクラウドを介し常に拠点と共有されます。現場と拠点をシームレスに繋ぐインタラクティブな調査をSSM-Labo(Smart Survey system Mobile Labo)と称しております。
参考・関連情報・お問い合わせなど
□株式会社竹中工務店
リリースニュース:
https://www.takenaka.co.jp/news/2023/11/02/