東急建設
タイル床改修時の廃棄物削減に向け「床タイル注入改修工法」確立。

sugitec

概要

東急建設株式会社(以下、東急建設)は、タイル床改修時に既存タイルの浮き部分を剝がすことなく補修できる「床タイル注入改修工法」を独自技術により確立というリリースニュースをお届けします。

工期短縮・低コストにも寄与する環境配慮型工法

この「床タイル注入改修工法」により、撤去タイルが発生しなくなり廃棄物を削減できることに加え、撤去工程が不要になるため短工期を実現でき、他工法と比較して低コストでの改修が可能となります。

東急建設は、「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」を3つの提供価値として長期経営計画の戦略の軸に据えており、当工法を「廃棄物ゼロ」に向けたソリューションのひとつとして活用することにより社会課題解決に貢献してまいります。

「床タイル注入改修工法」の概要

「床タイル注入改修工法」は、狭所への充填性が高いセメントスラリーを床タイル浮き部分に注入し、既存部を剥がさずに浮きを補修する工法です。

タイルの下地部分は、樹脂系注入材では浸透しすぎる場合がありますが、セメントスラリーを利用すると細かい粒子が下地に楔状に食い込み浸透しすぎないため、全体注入量を抑えつつも浮き部分には必要量を充填することができます。

開発の背景

近年、多くの建物が改修時期に差し掛かっており、その既存床にはタイルが多く採用されています。タイルは経年変化により浮きやひび割れが生じることがあるため、適宜補修が必要になります。

床の改修工事は、日常生活に支障をきたさないよう作業時間が限定されるため、可能な限り短工期で低騒音・低振動の工法が求められます。
しかしながら、タイル床の改修では、張替え工法のみが公共建築改修工事標準仕様書に示されており、張替え時には剥がしたタイルの廃棄物が発生する(写真1参照)など、上記の要望に見合う環境配慮型の工法は確立されていませんでした。

既に廃棄物を極力出さない工法として被せ工法が存在しますが、既存床が健全であることが前提で、既存タイルの浮き部は撤去して健全な状態にする必要があります。また、外壁タイルでよく使用される注入工法は床仕様としては確立されておらず、外壁と比べて材料を多く使用するため、コストが嵩むという問題がありました。

今回、これらの問題を解決するため、セメントスラリー注入を基本とした本工法を開発しました。タイル床の浮きに対する注入工法としての妥当性を社内実験により検証した結果、主に極小隙間への充填性や流動性、注入材と既存部の相性、施工手順を確認し、タイル床専用の工法として確立しました。

工法のイメージ

既存タイル床の浮き状況を再現した300角のアクリル製試験体に、セメントスラリー(現場状況によって樹脂系注入材数種を選定)を注入します。
また、浮きが発生した既存床の条件を想定した数種の実大模型を用いて、注入器具や手順を検討しました。改修する既存床の状況により注入材、設定した基本手順に沿って浮き部に充填します。

床タイル注入工法は、張替え工法と比べて、工期短縮、低コスト化、廃棄物削減(環境面)が期待できます。

今後の展開

今後は業界の動向を踏まえつつ本工法を改良・改善し、被せ工法だけでなく既存タイル床を生かした改修にも適用範囲を広げることにより、顧客要望への対応力をさらに向上させてまいります。

資料引用:東急建設

おわりに

建物改修技術:内圧充填接合補強技術 | 建築物・構造物の安全性を調査・計画・修繕する会社| 有限会社スギテック
コンクリートの強度回復と長寿命化を実現します経年劣化や地震などで傷んでしまったコンクリート構造物の強度を回復したり、長寿命化を実現する画期的な工法です。従来の樹脂注入工法ではコンクリート表層部の修復にとどまっていましたが、IPH工法は構造体内部の機能回復もおこなえる内圧充填接合補強技術です。IPH(内圧充填接合補強)工...

ライターの私見ですが、弊社スギテックで採用しているIPH工法(上記リンク)に近いのかもしれませんが、壁面と床面とでは樹脂の浸透性も異なるのかもしれません。今後のトレンドは、環境配慮型工法に注目です。


□東急建設株式会社
経営戦略本部 経営企画部 コーポレート・コミュニケーショングループ 西田
TEL 03-5466-5008 FAX 03-5466-5069

リリースニュース:
https://www.tokyu-cnst.co.jp/topics/2490.html

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