概要
戸田建設 × 村田製作所「作業者安全モニタリングシステム」用センサデバイスをフルモデルチェンジ。
小型軽量化とヒヤリハット検出機能搭載でより精度の高い安全管理に貢献するセンサデバイスを紹介。
作業者安全モニタリングシステム
戸田建設(株)(東京都)と(株)村田製作所(京都府)は、ヘルメット取り付け型センサデバイスにより建設作業者の健康状態をリアルタイムで監視する「作業者安全モニタリングシステム」※1(以下、本システム 2019年8月より販売)をこの度モデルチェンジしました。
従来からの課題であった小型軽量化の達成と、新機能「ヒヤリハット検出」を搭載し、2022年6月に新モデルの販売を開始しています。
昨今の建設就労者の減少、現場の作業者の高齢化などにより、建設業界において安全で快適な作業環境を整備する必要性が高まる中、近年、夏の酷暑が、作業者の健康不良を事前に認識し、具体的な対策をとることが困難なケースが多く見られました。
この解決のため戸田建設と村田製作所が協業し、生体情報や作業環境をモニタリングするシステムを2019年5月に開発し販売してきました。
今回のモデルチェンジでは、デバイス取り付け時の装着感最小限にするため、構成を見直し不要なスペースや部品を減らし、大幅な小型軽量化を実現しました。
小型化後も従来と同じ機能※2を有しており、さらなる利用シーンの拡大が見込めます。
これまでヘルメット装着を中心にサービスを展開してきましたが、今後は帽子などへの取り付けを目指し、建設業以外の産業へも積極的に展開する予定です。
小型軽量版については、2022年5月下旬に戸田建設の建設現場導入を行い、その後順次展開する予定です。
また、モデルチェンジに伴い、準天頂衛星システムQZSS「みちびき」※3に対応することで、位置情報の精度向上も期待されます。
新旧モデルのサイズ比較
新機能「ヒヤリハット検出」については、装着者の体動を元に位置と時刻を記録し、足を滑らせるなど短時間での移動を、転倒や落下事故が起きる可能性があったヒヤリハットとして検出・蓄積することが簡易にできます。
ヒヤリハットに関する記録は重大事故防止のために役立つ指標であり、それを効果的に分析することで、重大災害の減少に寄与することが期待できます。
おわりに
手首型の生体活動デバイスは広く普及していますが、やはり、人間の活動中枢のもとは頭部です。
脳の深層温度や反応状況をセンサで把握でき、手軽に帽子にも装着できる。
そして、おなじみの準天頂衛星システムQZSS「みちびき」のも対応している仕様をみても、建設現場以外での利用普及、特に農業分野や警備分野、さらにはレジャー産業での利用(アウトドアや登山での使用)を見越してるのでしょう。
あとは、より小型で軽量になることで、私たちの屋外活動の『お守り』として身近なデバイスの仲間入りする日も遠くではない予感がします。
※1:作業者安全モニタリングシステムとは
センサ技術とIoTを活用し、作業者の生体情報と作業環境をリアルタイムに収集することで熱ストレス(脈拍、活動量、温度、湿度などを計測して、総合的に判断する本システム独自のパラメータ)を把握することができます。計測した数値をクラウド上で解析し、アラートを送信することで、現場監督者が適切に作業者の健康管理を行うことができます。詳しくは以下リンク先を参考ください。https://solution.murata.com/ja-jp/service/wms/
※2:従来と同じ機能とは
熱ストレス検知、転倒検知、落下検知、緊急通報、ブザー通知、ヒト・モノ管理機能など
※3:みちびき(準天頂衛星システム)
https://qzss.go.jp/overview/services/sv01_what.html
※関連リリース
2018年08月28日 ヘルメットが見守ります!
-IoT を活用した建設現場の作業者安全モニタリングシステムを開発-
https://www.toda.co.jp/assets/pdf/20180828.pdf
2019年06月03日 センサ技術と IoT を活用した作業者安全モニタリングシステムを販売開始
~生体情報・作業環境をモニタリングし作業者の健康管理に貢献~
https://www.toda.co.jp/assets/pdf/20190603.pdf
参考・関連情報・お問い合わせなど
□戸田建設株式会社
リリース記事:https://www.toda.co.jp/news/2022/20220519_003051.html
□株式会社村田製作所
リリース記事:https://www.murata.com/ja-jp/news/other/other/2022/0519