概要
3Dデータを活用したコンサルや開発などをおこなう、株式会社プロノハーツ(以下、プロノハーツ)が「pronoScan2CAD」をリリースした。
このアプリは、Apple社のiPad proが搭載しているLiDARセンサーにより取得した、3D点群データを2次元CAD(DXF形式)に出力することができるアプリとなっている。
点群をスタンダードなDXF形式の2次元CADへ
プロノハーツの開発した「pronoScan2CAD」は、iPad pro、iPhone proが搭載しているLiDARセンサーによって、3D点群データを取得できるようになる。
取得した点群データはカメラ画像の色情報も含んでおり、すぐにデータをプレビュー表示することも可能だ。そして取得した点群データを手動で計測平面を抽出することにより、DXF形式の2次元CADデータを出力することが可能となっている。
近年では、建設、土木、測量業界での3Dデータスキャンの需要が高まっていることから、プロノハーツではそのニーズ動向を踏まえ、iPad proやiPhone proに搭載されたLiDARを活用した3Dスキャンや応用技術の研究を進めており、今回の「pronoScan2CAD」の開発に至ったという。
ちなみにこのアプリは、すでにリリースされている建設業向けの点群計測アプリである「prono-Construction」の技術を派生させたものであるという。
以下はCADデータの出力までの流れ
アプリを起動し、スキャンをおこなう対象に向けスキャンボタンを押すことで、画像で見えている範囲の点群が取得される。対象に対し位置を変えて同じようにスキャンボタンを押していくことで、点群が重なって取得されていく。取得された点群はビューワで確認可能だ。
そのビューワ画面で「線分作成」を選択すると、ビューワーが下面の表示に切り替わるようになっており、それを見ながら計測平面を描き、線分を抽出する。
線分抽出後は「線分出力」の操作を行えば、iOSのファイルアプリにDXFデータが出力される。「線分出力」ではなく「保存」をすることで、取得した点群データの保存もできる。
後は、そのDXFデータを各種CADデータソフトに読み込んで活用するという流れだ。
出先の現場で手軽に点群データの取得と、そこから2次元のDXFが作成でき、共有も簡単であろうことから活用の幅は広いであろう。
この「pronoScan2CAD」はAppStoreからダウンロード可能で、基本無料にて各機能の利用は可能ということだが、線分データ出力の際の抽出直線が4本に制限されており、年間ライセンス料6,000円を課金することで、フル機能で使用可能となる。
月々にすると500円であるので、業界の他ソフトと比較してもリーズナブルである。まずは使用感を試してみてはいかがだろうか。
動作環境
LiDARセンサー搭載の以下機種
・iPhone Pro(12以降のLiDAR搭載iPhone Pro)
・iPad Pro(第4世代)12.9インチ及びiPad Pro(第2世代)11インチ以降のLiDAR搭載iPad Pro
参考・関連情報・お問い合わせなど
□株式会社プロノハーツ:https://prono82.com/
リリース記事:https://prono82.com/2022/06/02/pronoscan2cad/