こんにちは。あらゆる産業分野で活用されているドローンですが、近年、地震や台風、大雨などによる自然災害の被害が増加している状況における防災用途においても、各自治体で活用が進んでいます。
本日は、會澤高圧コンクリート(以下、AIZAWA)が、福島県の浪江町と実用化の開発を進めている、「(仮称)ザ・ガーディアン」と呼ばれる、ドローンを活用した豪雨/津波防災支援システムの中間報告が1日にあり、ドローンの初披露があったとのことで、プレスリリースされておりましたので、ご紹介したいと思います。
可搬式ドローン専用格納庫のお披露目、自治体向け防災テックの標準目指す
AIZAWA社は、21年4月に福島県浪江町と連携協定を締結しており、共同で「(仮称)ザ・ガーディアン」という豪雨/津波防災支援システムの実用化開発を進めています。
今回そのシステムの中間報告会があり、その中でシステムの中核となっているテクノロジーのひとつの「防災用大型エンジンドローン」とドローンが自動的に飛び立つことのできる専用格納庫の実機が初披露されました。
お披露目は浪江町庁舎の特設会場で行われ、約100名もの町職員が参加。その様子は以下の動画で紹介されています。
この「ザ・ガーディアン」は、ゲリラ豪雨等により河川の氾濫、地震による津波被害など、主に水にまつわる緊急事態について早期警戒情報を住民サービスとして提供することで、1人でも多くの命を守ることを目指し開発されている「避難支援型」の衛星・ドローン活用の統合情報システムとなっています。
資料:會澤高圧コンクリート
具体的に実施できる部分としては、観測衛星のデータで経時変化を観測して気象衛星の降雨予測データと地表面をデジタル化した3次元データを組み合わせることで、河川の氾濫を早期に予測。そのデータ等を活用した防災情報を住民のスマートフォンに通知するという「パーソナルな河川防災システム」を構築するとのこと。
大型地震に対しては、専用の格納庫「The Port」からエンジン式のドローンが地震発生信号に即応して自動的に離陸し、海岸の映像を5時間以上、住民のスマートフォンなどに配信し続けるという「津波警戒のブロードキャストシステム」となっており、こちらを構築していくそうです。
資料:會澤高圧コンクリート
このシステムで活用されるエンジン式ドローンですが、アイザワグループの無人航空機会社「アラセ・アイザワ・アエロスパシアル合同会社」製の「AZ-500」と呼ばれる機種で、50kgのペイロードや、航続時間5時間以上というスペックを実現した純国産の大型エンジンドローンとなっています。
資料:會澤高圧コンクリート
また、この「AZ-500」は、リアルタイムに現実空間と仮想空間を同期するデジタルツインを活用した自律航行システムが採用される予定とのことで、映像をブロードキャストするだけでなく、河川防災のために河川の上空を定期的に自律航行し状況を撮像する機能等も実装される予定とのこと。
これらのシステムの開発期間は21年4月から24年2月までの3ヵ年の予定となっており、今回披露されたドローンの「AZ-500」に関しては、22年中に浪江町内に防災専用機として常設され、実用化に向けた検証が進められるそうです。
□會澤高圧コンクリート株式会社
防災用500㏄エンジン搭載ドローンを浪江町庁舎で初披露
リリース記事:https://www.aizawa-group.co.jp/news2022030101/