こんにちは。建設現場で活用される大型の揚重機であるタワークレーンですが、昨今では遠方のコックピットから遠隔で操作可能な遠隔操作技術などが確立されています。
本日は、BIMの情報と連携できるタワークレーンの運転支援システムが、三井住友建設株式会社(以下、三井住友建設)と、株式会社IHI(以下、IHI)、IHI運搬機械株式会社(以下、IUK)の3社で共同開発されたという話題。ちなみにシステムは実現場に導入されています。
新開発の吊荷回転制御システムを導入し安全性・生産性が向上
システムはクラウド上に構築されたBIM施工データやPCa部材データ、作業工程データを統合し一元管理できる施工情報システムと、IHIとIUKのクレーン連動化技術を連携させることで、タワークレーンの運転操作を支援するものとなっています。
また、その施工情報システムは、オーストラリアのRoborigger International PTY.LTD社の吊荷旋回制御装置と連携し、吊荷回転制御システムとして、さらに安全性と生産性が向上しているとのこと。
資料:三井住友建設
2つのシステムの概要としては、あらかじめクラウド上の施工情報システムにBIMデータを基にした施工計画情報を登録。PCa部材に貼付されたRFIDタグを搬入時に読み取り、部材の固有番号の自動照合を行います。また、GNSSを活用し、PCa部材の現場搬入時の位置と向き情報を取得して、それぞれのシステムと連携・連動できるようなっているとのこと。
資料:三井住友建設
1.タワークレーンの運転支援システム
搬入されたPCa部材の最適な揚重経路を施工計画情報に基づいて自動的に生成。オペレータがモニターで確認後、PCa部材の荷取場から設置位置上空まで自動誘導します。
通常、タワークレーンの操作は経験豊富なオペレータが行いますが、システムの導入により安全に適正に自動誘導されることで、懸念されている担い手不足の解消を目指していくとのこと。
2.吊荷回転制御システム
タワークレーンの揚重作業と連動し、PCa部材の水平回転・保持を自動制御。設置位置上空到着までに施工計画情報に基づいてPCa部材の方位角へ自動で回転・保持し、スムーズな降下設置作業を可能にします。システムの導入により、作業員が人力吊で荷を回転する作業が不要となり、吊荷の衝突・作業員の転落などによる災害リスクが軽減されます。
今後、三井住友建設では2030年の実現に向け、設計・施工計画と建設現場をデジタルデータで繋げたデータ連携システムの構築を目指しているとのこと。
今回導入されたシステムは、建設現場のデジタル化を支援する次世代建設生産システム(SMile生産システム)の一部で、今後これらのデジタルデータを蓄積し、施工シミュレーションや自動化をはかることで、さらなる安全性と生産性の向上にフィードバックしていくとしています。
□三井住友建設株式会社
BIM情報と連携したタワークレーン運転支援システムを導入
リリース記事:https://www.smcon.co.jp/topics/2022/03081300/
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