赤外線カメラの夜間使用
本日も変わらずスギテックでは師走の慌ただしさでございます。年末にかけて事故などだけはないように安全第一にラストスパートといきたいところです。さてこのブログでも幾度も記事にしている赤外線カメラ撮影での調査診断ですが、つい先日夜間撮影をおこなってきましたのでそちらをご紹介します。
赤外線カメラでの撮影は建物外壁の日中の温度変化を捉えて浮きを判断するもので、太陽の出ていない夜に夜間撮影?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、出ていないときにも撮影することがあります。
赤外線写真の色表示
一般的な赤外線カメラの写真というと、皆様もご存知の通り以下のようなイメージがあると思います。
写真の色が赤くなっている箇所ほど温度が高くなっていて、逆に青くなっている所は温度の低い箇所となります。これはテレビなどでもよく見ることがあると思いますのでお馴染みですね。赤が高温で青が低温。直感的な表示でもあります。
ではこちらの写真はどうでしょうか?何かレントゲンのような写真ですね。
これは赤外線カメラの色の表示モードを変えて撮影しています。黒と白の極端に言うと2色だけの表示でグラデーションによる温度表現となり、白くなる程に高温。黒くなる程に低温という表示になっています。
なぜこの表示方法にしているのか?
この表示方法のメリットとしては通常表示よりも見やすいことにあります。特に温度変化が顕著に出る場合、通常の表示方法ではあまりにも色数の変化が多く出る場合があり、見落とす原因にもなることからこちらのモードでも撮影をおこないます。
夜間に撮影をする理由としては昼間の撮影結果の確認という意味合いがあります。昼間に撮影をおこない浮きと思わしき部分が出てきたとします、では夜間の温度が下がっている状態で撮影をした場合、その浮きと思われる部分はどう変化するのか?その答えは以下の写真のようになります。
<昼間の撮影写真>
浮きの疑いのある部分は白く(高温)なっています。
<同じ箇所の夜間撮影写真>
昼間に白く写っていた部分は黒く(低温)になっています。
昼間の温度上昇時には浮きの部分も高温になるという反応が普通ですが、夜になり温度が下がると浮きと疑われている部分の温度は下がる反応を見せます。その反応で浮きだと断定ができます。
逆に下の画像のように夜間でも昼間と同じように温度が高い状態の場合は、浮きではなく反射やその他の熱源があるということになります。
<昼間の撮影写真>
白く(高温に)なっている所は浮きが疑われますが…
<同じ箇所の夜間撮影写真>
夜でも黒く(低温)はならず、白い(高温)のままです。なのでこちらの場合は浮きではなく、ノイズなどの可能性があります。 赤外線写真のノイズについて
赤外線カメラで撮影した写真にはノイズと呼ばれるものが出ることが往々にしてあります。高温になっている箇所があることでそこに浮きがあると判断できますが、高温になるのは浮きだけが原因でない場合もあります。その浮き以外で温度変化が生じている部分のことをノイズと言います。
ノイズの原因として
・反射
・裏面などからの放熱
・地面からの照り返し
・対面などに位置する壁面からの反射
・壁面汚れ
・建物内の冷暖房設備によるもの
など、様々な要因があります。
このような原因から生じる温度変化の結果が赤外線写真の中に複数あらわれてくるので、解析には確かな裏付けが必要になるのも赤外線調査の難しさと言えます。スギテックでは調査スタッフの技術に加えて、過去の様々な経験からノイズを除外し解析判定する技術力には自信があります。
ちなみにスギテックではJAIRA(ジャイラ)日本赤外線劣化診断技術普及協会のステップ2ライセンスを保持しており信頼性の高い解析と、詳細な調査報告書をご提供しておりますので、赤外線調査をお考えの方はお気軽にご質問等いただければと思います。
勿論、赤外線調査以外の建物に関する事ならどんなことでもご相談ください。