地下空間上への建物の建設
ついこの前まで暑い日々でしたが、ここ数日で朝晩とグッと寒くなりようやく秋がきたという感じですね。色々と活動しやすいこの時期、日々現場は元気に忙しく動いております。
本日は某所での建物建築前の防水工事の様子をご紹介いたします。防水工事といえば建物の屋上などが多いですが、今回は地下からの漏水を防ぐための防水工事になります。
豊洲新市場の地下空間の漏水問題
漏水と言えば少し前によくニュースでも話題になっていました豊洲問題。専門家の視察から雨水ではなく地下からの湧水という見解が発表されていました。地下空間の壁のコールドジョイントなど壁の打ち継ぎ部分に問題があるのか?コンクリートのクラックからか?はたまた全く別の原因があるのか。
おそらくはコールドジョイントなどの劣化部分からの漏水の可能性が高いかもしれません。地下空間には相当な圧力がかかっていますので、少しの劣化部分からでも漏水してきてしまいます。
実際地下からの漏水で比較的多い原因がコールドジョイント部分からの漏水。コンクリートの打ち継ぎ部分はどうしてもできてしまうものなので、そこから水が侵入するというのはよくあるパターンです。
我々が実際に現場確認をした訳ではないので事の詳細は分かりませんが、いずれにせよ3ヘクタールの地下に1000トン単位で水が溜まっているようで、ここまで大量の水が浸水しているとなると大きな劣化、もしくは根本的に欠陥があると思わずにはいられません。
と、この問題は色々あると思うのでこのお話はおいておきまして、現場工事の写真がこちら。
今回の工事は地下空間上に建物を建てる前の地下空間の防水工事の第1段階ともいえる工事です。図にすると下のようなものになります。
① 地下空間の床になる部分に対しての防水工事を施します。ここで完璧な防水をしておかなければなりません。
この型枠部分にコンクリートが入ります。ということでこれはコンクリートの最底面になる部分の防水施工ですね。外部からの水をしっかりとガードします。
この防水工事はここまでになりますが、今後は以下のような形で順番に施工していきます。
② 今回施工した型枠にコンクリート打設をおこないます。
③ 2の床に地下空間をつくるための型枠を設置し、コンクリート打設をおこないます。これが地下空間の壁と床部分になります。
④ 最後に型枠を解体し外周の壁に防水を施工し、床部分と接続をおこないます。これで外周まわりは全て防水になります。しっかりとした防水施工ができていれば、圧力のある土の中に埋まっていても浸水から守ってくれます。
コンクリートは防水材ではない
地下のコンクリートの厚みは十分にあるので防水は不要。2重壁にすれば大丈夫。など業界でも誤った認識が存在しているのも事実です。コンクリートは確かに水を通しにくいですがあくまで通しにくいだけであり、それも密度が高く丁重に打設されたコンクリートに言えることです。
それでも絶対に出てくるコンクリートの打ち継ぎや、クラックなどの劣化から水は通ってきますので、基本的には水を通すという前提で、丁寧な防水施工は絶対に必要です。建物を末長く健康に保つために、建てた後のメンテナンスも大事ですが、こういった設計段階での配慮が大事です。
もしも地下から水が漏れてきた。建物の床下から水が漏れてきた。などの症状がありましたら、スギテックでは防水工事の他、止水工事に関しても専門の技術を有しておりますのでお気軽にご相談ください!