記事のポイント
・株式会社パスコ(以下、パスコ)は、セコム株式会社(以下、セコム)が自律飛行型監視ロボットの「セコムドローン」で培った技術を活用した社会インフラの巡回監視の自動化・省力化を実現する新たなビジネスモデルの創出に向けた実証実験に着手すると発表した。
・実証実験は、セコムとのシナジーを発揮した新たなドローン活用サービスの創出を目指した取り組みとして、埼玉県杉戸県土整備事務所管内権現堂調節池(権現堂調節池)、を実験フィールドとして実施するものとなる。
公共インフラ巡回監視の自動化・省力化を目指した新たなビジネスモデル創出へ
パスコはセコムが自律飛行型監視ロボットの「セコムドローン」で培ってきた技術を活用した社会インフラの巡回監視の自動化・省力化を実現する新たなビジネスモデル創出に向けた実証実験に着手する。
出典:パスコ
[aside type=”boader”] ■セコムのドローン技術
セコムでは侵入監視・巡回監視をドローンで行うための技術を独自開発。その技術を蓄積しているという。代表的な技術は以下となる。
① 飛行ルートの設定による自律飛行
② 画像・映像撮影とコントロールセンターへのリアルタイム送信
③ 自動発着・自動充電
④ 夜間・降雨時の飛行[/aside]
この実証実験は、セコムとのシナジーを発揮した新たなドローン活用サービスの創出を目指した取り組みとして埼玉県の「権現堂調節池」を実験フィールドとし実施された。
出典:パスコ
近年では、公共インフラの維持管理や老朽化対策などの分野において、効率化、省力化を目指したデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが加速している。また、調節池や上・下水道処理施設などの治水・利水設備では、日々の点検のほか、台風襲来後の安全確保と設備の安定運用のための飛来物の確認、施設の損傷点検などに多くの時間と人手を費やしている状況にあるという。
今回の実験のフィールド「権現堂調節池」は、中川流域における農地や遊水地域の都市化にともなう、流域の治水と利水のために利根川水系一級河川権現堂川を活用した多目的平地ダムとして管理されており、日常の安全管理や防災上の観点から、日々、巡回監視を行っているそうだ。監視する対象は、夏期に発生する植物プランクトン(アオコ)などの環境監視や不法投棄のほか、車上荒らしの抑制など、多岐にわたるが、約5kmという広大な敷地であることから効率化・省力化が課題となっている。
出典:パスコ
こうした課題を解決するため、パスコとセコムが保有する技術や豊富な業務実績を融合し、あらゆる社会インフラの管理・保全の自動化・省力化を図るための新たなビジネスモデルの創出に取り組む。
実証実験概要
実証実験では、セコムが侵入監視・巡回監視サービスのために開発・運用している「セコムドローン」の技術を活用したドローンに、パスコの高精度3次元データと飛行ルート設定システムを連動させ、自律巡回により調節池のアオコ発生の状況把握と不法投棄の監視を行う。
出典:パスコ
実証実験の狙い
以下のような事項の実証実験を計画しています。
① 3 次元的に把握する地形や障害物の 3 次元モデルを活用した飛行ルートの計画
② 離陸から着陸までの自動飛行(人が近づけない場所の監視性能)
③ カメラ監視による状況把握精度・範囲
④ 監視成果のデータ蓄積と活用方法
パスコでは、この実証実験の成果によって自律飛行型ドローンの飛行計画の立案精度の向上、安全で確実な巡回監視と施設点検への活用、そして、災害時の状況把握・情報伝達といった、あらゆる社会インフラの維持管理における自動化・省力化を実現する、新たなビジネスモデルの構築を目指していくという。
□株式会社パスコ
自律飛行ドローンを活用した公共インフラ巡回監視の自動化・省力化を目指して新たなビジネスモデルの創出に向けた実証実験に着手
リリース記事:https://www.pasco.co.jp/press/2021/download/PPR20210806J.pdf
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