記事のポイント
・株式会社竹中工務店（以下、竹中工務店）は、株式会社カナモト（以下、カナモト）と株式会社アクティオ（以下、アクティオ）の２社と、BIMを用いたドローンの屋内外自律飛行システムの実証実験を実施し、自律飛行精度確保の有効性を確認したと発表した。
・実証実験では「BIMを用いた離陸・経路・着陸地点の飛行ルート設定」「手動操作による事前の地図生成を行わずBIMのみで飛行経路及び閲覧対象を設定」によるドローンの屋内自律飛行を現場で行ったという。
屋内外自律飛行システムの実証実験を実施し飛行精度確保の有効性確認
竹中工務店、カナモト、アクティオを３社は、BIM※1を用いたドローンの屋内外自律飛行システムの実証試験を、竹中工務店の建設現場にて実施し、その有効性を確認した。
出典：竹中工務店
今回確認が行われた「屋内外自律飛行システム※2」を活用することで、施工管理担当者が行う安全巡回や現地確認を事務所内自席や遠隔地からも容易に行うことが可能となり、作業所への移動時間、現地滞在時間を削減できる。また自律飛行により現場の写真を自動撮影したり、屋内外のシームレスな飛行で竣工後建物における巡回監視への応用が可能とのことだ。
出典：竹中工務店
通常、屋外ではドローンはGPS信号を受信し飛行している。一方、屋内（非GPS環境）で安全にドローンを自律飛行させるには、SLAMという「地図生成技術」と「自己位置推定」が必要となり、一般的にカメラを用いてARマーカー等の目印を認識し、飛行用地図を生成、自己位置を推定しながら飛行を行う。
出典：竹中工務店
しかし建設現場では、日々環境が変化するため、目印のタイムリーな設置や飛行用地図生成が難しく、ドローンの屋内自律飛行の障害となっていたそうだ。
出典：竹中工務店
今後、竹中工務店では、カナモト、アクティオと共同で建設現場における屋内外自律飛行システムの試験運用を重ねていき、BIMの活用範囲拡大によるさらなる利便性の向上を実現するための追加開発とともに、開発中である建設ロボットプラットフォームを用い、ドローンとロボットの連携も進めていくとのことだ。
※1 Building Information Modelingの略。コンピュータ上に作成した3次元の建物モデルに、仕上げ、コスト、管理情報等の属性データを追加したものを、設計から施工、維持管理まであらゆる工程で活用する概念あるいは業務フロー。
※2 実証試験を実施したシステムは、株式会社センシンロボティクスのSENSYN CORE。本案件におけるSENSYN COREの提供元は、岡谷鋼機株式会社。
□株式会社竹中工務店
BIMを用いたドローンの「屋内外自律飛行システム」の実証試験を実施、飛行精度確保の有効性を確認
リリース記事：https://www.takenaka.co.jp/news/2021/07/07/
