記事のポイント
・NTTコムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は、社会インフラ分野における設備のデジタルツイン化と設備関連業務のDXによって、設備の新規計画から維持、更改・廃棄までの一連管理業務を総合支援する「SmartMainTech®」の提供を開始した。
・SmartMainTechは、NTTコムウェアの培ってきたインフラ分野での技術活用の実績とノウハウを体系化し、通信事業に加え、エネルギー事業や都市開発事業など社会インフラ事業者向けにデジタル技術を活用したインフラメンテナンスを推進するトータル度リューションブランドとなる。
社会インフラのサステナビリティ向上に貢献する技術
NTTコムウェアは、これまでにNTTグループの膨大な通信設備管理に関するシステム開発運用を担ってきたことや、画像認識AIの「Deeptector®」をはじめとしたAIやデータサイエンス技術のインフラ業界への社会実装によって、様々な社会インフラのメンテナンス業務を支えてきている。
今回提供が開始される「SmartMainTech」は、こういったインフラ分野での技術活用の実績とノウハウを体系化し、通信事業に加え、エネルギー事業や都市開発事業など社会インフラ事業者向けにデジタル技術を活用するソリューションブランドとなる。
出典:NTTコムウェア
設備のライフサイクルプロセスを総合的に支援するため、今後このソリューションブランドを構成するプロダクトラインナップの拡充を加速させるとしており、第一弾はAI施工検査サービスの「Infratector® typeC」、現場とオフィスのコラボレーションで生産性向上を実現できる「フィールドコラボ」の提供を開始している。
Infratector typeC 概要
Infratector typeCは、日本初の通信設備工事における施工検査業務に特化したAIサービスである。様々な検査基準・撮影ルールに対応した撮影ガイド機能をもとに工事作業員が施工結果の写真を撮影し、画像認識AIの「Deeptector®」を用いて適切に施工が完了しているかを自動判定する。尚、判定プログラムは特許出願中とのことだ。
このInfratector typeCをトライアルで利用した通信建設企業では、検査の品質向上や使い勝手などの点で好評を得、施工検査業務の効率化に効果を発揮することが確認できたという。
出典:NTTコムウェア
Infratector typeCは、学習済みのAIモデルをSaaS型サービスとして提供するために、利用する企業側で教師データの準備やチューニング作業は不要なため、業界基準に沿ったAIサービスを低コストかつ迅速に導入することが可能となっている。利用者の作業員はアプリをスマートフォン等の携帯端末にインストールするだけで直ぐに利用が可能だ。
Infratector typeCは、撮影ガイド機能とAI機能で構成されている。通信インフラの安定運用を支えるための品質検査(施工検査)において技術者不足やノウハウ継承、検査品質の均一化等の課題を解決する以下の3つの特長・効果がある。
出典:NTTコムウェア
1.ガイドで誰でも簡単撮影で撮影のスキルレスを実現
撮影ガイド機能・AI機能を簡単に使えるスマートフォンアプリで提供。撮影ガイド機能は施工写真の撮影に最適化された撮影用フレームをスマートフォン画面上に表示することで、誰でも簡単に正しい写真を撮影できる。これによって撮影業務をスキルレス化し、撮影ルールの指導などの手間を削減できる。
2.高精度AIが施工良否を自動的に判定し検査を効率化
AIが写真をもとに施工基準に適合しているかを自動的に判定する。物体の検出に留まらず、物体の色や長さ、取り付け順序など複雑な判断条件を処理できるため、人が行っている複雑な検査を正確に代替えすることが可能。これにより検査効率と精度向上で検査の効率化を実現する。
3.施工結果の良否をリアルタイム判定し、手戻りゼロ化を推進
撮影ガイド機能で撮影した施工写真をもとに、その場でAIが施工結果の良否をリアルタイム判定できるため、撮影・施工ミスがあった場合もその場で対処が可能。これにより手戻りのゼロ化を推進。
フィールドコラボ 概要
フィールドコラボはNTTの通信基盤を支える中で培ってきたコミュニケーション基盤技術を活かし、インフラメンテナンス工事に関わる作業現場とオフィスをつなぎ、リモートでの工事支援と工事進捗のリアルタイム共有・可視化を実現するクラウドサービスとなる。
出典:NTTコムウェア
フィールドコラボ特長
映像・音声による遠隔作業支援
現場作業社が遠隔支援機能により、現場の映像をスマートフォン等で撮影し、遠隔地にいる現場管理者に視点共有することで、現場管理者はアドバイス・指示や結果のチェック、安全確認等を行うことが可能となる。さらに遠隔支援機能によりやり取りは自動で業務管理データベースに蓄積され、案件に紐付けて保存されるため、工事証跡としての活用も可能。
ビジネスチャットからの報告
工事案件を登録することで、現場作業者と現場管理者のコミュニケーション用チャットルームが、利用中のビジネスチャットにおいて自動的に作成される。ビジネスチャットと同じツールで報告可能となるため、作業員は別のアプリを利用することなく、気軽に報告を行うことができる。
工事進捗管理
映像・音声による遠隔作業支援ログと、チャットによる報告内容は業務管理データベースに自動で蓄積され、工事進捗に反映される。現場管理者は同時並行で実施されている工事の進捗や課題を一元的にリアルタイムに把握できるようになるため、現場作業者へのタイムリーかつ適切な工事指示が可能となる。
出典:NTTコムウェア
NTTコムウェアでは、AI・データサイエンス技術の高度化とビジネスパートナーとの協創により、ソリューション開発とターゲット市場展開を推進し、社会インフラ事業者が取り組むべき課題解決を支援し、スマートワールドの実現に貢献していくという。また、「SmartMainTech」は5年後の売上目標100億円を目指すとのことだ。
□エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
デジタル技術を活用した新しいインフラメンテナンスのカタチ「SmartMainTechR」提供開始
~ 社会インフラのサステナビリティ向上に貢献 ~
リリース記事:https://www.nttcom.co.jp/news/pr21042101.html