記事のポイント
・株式会社自律制御システム研究所(ACSL)とアルビト株式会社が、風力発電機点検において人工知能AIと国産ドローン、専門家によるトータルソリューションの提供を開始した。
・国産ドローンの自律飛行による画像撮影と、その解析をAIで行う所まで自動化。チェックとレポート作成は専門家が行うことで、作業時間の大幅な短縮と点検精度向上に繋げる。
画像撮影から解析までを自動化し、作業時間の大幅短縮と点検精度の向上を実現
株式会社自律制御システム研究所(以下、ACSL)と、アルビト株式会社(アルビト)は、風力発電機の点検を「AI」「国産ドローン」「専門家」を使ったトータルソリューションとして提供を開始した。
国産ドローンでの自律飛行による撮影から、AIによる画像解析までを自動化し、専門家によるチェックとレポート作成によって風力発電機点検における作業時間の大幅短縮と点検精度の向上を可能にする。
風力発電機点検の課題とは
建築物などと同じく、風力発電機は安全運用のために損傷部分の確認等を行う定期点検が必要になる。特に発電機のブレード部分は高所に位置するため、地上から望遠レンズを使ったカメラ撮影では撮影の角度によっては状態を確認しづらいという課題があった。
また、ブレード全てを撮影するには風力発電機を一旦停止させ、ブレードの角度を変えながら撮影する必要があるために、発電機1基あたりの撮影に数時間を要していたという。点検作業はカメラでの撮影の他に作業員が風力発電機に上がって作業を行う場合もあり、高所作業による点検コストの高騰や安全面での課題もあげられていた。
これらの課題から、ドローンを活用した点検画像撮影のニーズが高まっているが、風力発電設備は一般的に風の強い場所に設置されていることもありドローンの操作が難しいことや、点検に使える精度の画像が撮影できない、大量の画像を撮影したものの、解析に時間がかかってしまうなどの問題があった。
このような課題を解決するため、ACSLの自律飛行可能な国産ドローン「ACSL-PF2」と、アルビトのAIによる点検画像解析と専門家によるチェックを実施する、トータルソリューションの提供開始に至ったという。
出典:ACSL
特徴
- 点検画像撮影に用いるドローンは ACSL独自開発したフライトコントローラを搭載したセキュアな国内ドローン
- 風力発電機の詳細サイズと位置情報を入力するだけで、自動的に飛行ルートを算出し、風力発電機のタワーやブレードに沿うように飛行させることが可能。そのため熟練パイロットは不要である。
- AIでの自動化・チェック項目のスコア化で、膨大な量の点検画像の解析を品質を保ちながら迅速に安価に行える。
- AIで解析したデータを専門家がクロスチェックすることで、品質を担保しながら最終的な点検レポートを作成できる。
出典:ACSL
国産産業用ドローン「ACSL-PF2」風力発電点検仕様 スペック
飛行性能
・飛行速度水平10m/s(GPS環境下)
・最大風圧抵抗20m/s
・最大飛行時間29分(ペイロードなし)
・ペイロード2.75kg
対環境性能
・使用温度範囲0~40℃
・防塵防水IP54(キャップ装着時)
□株式会社自律制御システム研究所
ACSL とアルビト、風力発電機点検におけるAI×国産ドローン×専門家トータルソリューションの提供開始
https://www.acsl.co.jp/news-release/press-release/1666/