リアルタイムな現場管理システムがスマートシティに初適用

sugitec

こんにちは。昨今「スマートシティ」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。これは、IoTなどの先端技術を用いて基礎のインフラや生活インフラを効率的に管理・運営、そして環境にも配慮しながら生活の質を高めつつ継続的な経済発展を目的とした都市のことを指します。

エネルギー消費が増え続ける近年、このスマートシティ構想は世界中で進められています。話題のSDGsにも確実に貢献できることから注目度も高いプロジェクトと言えます。

国内のスマートシティのひとつとして「鹿島建設」など9社の出資している「HANEDA INNOVATION CITY(略称:HICity(エイチ・アイ・シティ)」があり、その施設の運営ツールとして鹿島建設の「3D K-Field」というリアルタイムに現場を管理できるシステムがあり、それが「HICity」に適用されたとのニュースがありました。

現場管理システム「3D K-Field」がスマートシティに初適用される

同社は、建設現場での資機材の位置や稼働状況、働く作業員の位置やバイタル情報などをリアルタイムで3次元表示できるリアルタイム現場管理システムの「3D K-Field」を、「HICity」の施設運営ツールとして導入。

「HICity」は同社を含め9社が出資する「羽田みらい開発株式会社」が運営する大規模複合施設となります。このシステムを施設のデジタルツインとして活用し、各施設や自律走行バスの混雑状況、施設管理スタッフやサービスロボットの稼働状況を把握することで、来場者の満足度の向上や合理的な施設管理・運営を目指すとのこと。

システムの導入に際しては、同社のグループ会社である「株式会社One Team」がシステムのカスタマイズと各種センサの取付等を担当しているそうです。


出典:鹿島建設

3D K-Fieldの概要

K-Fieldは、GNSS(グローバル衛星測位システム)が使えない建設現場内においても、資機材や人の正確な位置の把握ができるシステムとなっており、これまで同社で開発、活用が進められてきています。

そのK-Fieldをベースとして、建物の3次元情報を持つBIMと連携することで3次元表示を可能とした「3D K-Field」を新たに開発。この3D K-Fieldは、デジタル空間にある建物上に、資機材や人の位置情報のほか、現場内に設置された複数のカメラやIoTセンサー等から得られた情報を表示し、リアルタイムに現場全体の状態を可視化できるというもの。


出典:鹿島建設

現場管理に必要な様々な情報を同一画面内に一元化して表示でき、同社が推進している鹿島スマート生産における「管理の半分は遠隔で」というコアコンセプトに基づいて、現場事務所や本・支店等の遠隔地から現場状況を確認する遠隔管理システムとしての活用を推進しているそうです。


出典:鹿島建設

HICityにおける3D K-Fieldの活用

国交省のスマートシティモデル事業の「先行モデルプロジェクト」に選定されているというHICityは、スマートシティに求められる様々な先端技術やサービス導入が予定されているとのことで、3D K-Fieldは施設の運営管理ツールや空間情報データ連携基盤として活用されているとのこと。


出典:鹿島建設

この活用によって、警備や構内物流、清掃等の施設管理スタッフをはじめモビリティ、ロボット等のリアルタイム位置情報と稼働状況を可視化し施設運営を効率化しているほか、トイレや会議室の空き状況も可視化しており、それを案内板として施設内の各所に設置しています。

今後、専用アプリで来場者に施設の混雑情報や自身の移動情報等を提供することで、利便性・回遊性の向上を図るとともに、行政や民間企業の持つオープンデータと分野横断的な連携を図り、さまざまな課題解決や新たな価値の創出に取り組んでいくとのこと。

まとめ

同社ではこのHICityへの導入を機に、システムを建設現場以外のスマートオフィス、ホスピタル、ファクトリー、パーキング等、幅広い分野に展開することで、施設利用者のさらなる利便性の向上と施設管理者の管理業務の効率化を図っていくそうです。

建設現場にて、資機材の位置情報や稼働状況をリアルタイムに把握するという現場の可視化を目的として開発されたK-Fieldが、新たにBIMと連携しデジタルツインとして活用することで、スマートシティ内部を可視化し遠隔からの管理も可能としています。

3D K-Fieldでビルがまるごと可視化され、リアルタイムで人の位置なども表示されている画像を見ていると、近未来の映像をみているような感覚を受けますが、様々なセンサーやIoTなどのテクノロジーでそれは実現できる世の中になっています。今後もこのようなビルや建物は増加してくることは間違いないでしょう。今後、街が丸ごと可視化される未来もそう遠くなさそうです。

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