こんにちは。昨日「テラドローン」が、産業用ドローンのサービス企業として世界トップとなったというニュースがありました。調査機関は世界的なドローン市場の調査機関である「Drone Industry Insight」。
2018年にTOP10内に入る9位、2019年にはその順位は急上昇し2位に。そして今年はとうとう1位まで上り詰めています。まさに破竹の勢い。
出典:PRTIMES
現在、国内では全国に7支社。それに加えアジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、アフリカ、オセアニアの世界25カ国以上に支社を構えています。テラドローンは「ドローン業界だけにとどまらず世界におけるリーディングカンパニーを目指す」とのことで、今後もどこまで拡大し、また新たなサービスが生まれるか注目です。
さて、本日は国産ドローンの開発を支援するサービスを「株式会社アトラックラボ」が開始したとのことで、そちらをご紹介。
国産ドローンの現状
現在ドローンの世界シェアは御存知の通り、ほとんどが中国で占められており、その割合は約70%と言われています。しかし、昨今のドローンによるサイバー攻撃、テロ攻撃などの悪用により、海外製ドローンに対してのセキュリティ懸念があることから、米国では昨年に続き今年も組織内の中国製ドローンの使用を停止しています。
そしてそれに呼応するように、2020年から海上保安庁が中国製ドローンの購入や活用を保留する方針を固めた他、日本政府が国産ドローンを積極的に開発して導入していくという流れで「NEDO」が推進する「安心安全なドローン基盤技術開発」というプロジェクトが進められています。
出典:NEDO
プロジェクトでは、政府調達向けを想定した高い飛行性能と操縦性、セキュリティを実現するドローンの標準機体の設計・開発および、フライトコントローラーの標準基盤設計と開発を実施するものです。
2020年春にこのプロジェクトを実施する企業を選定する一般公募が行われ「自律制御システム研究所(ACSL)」「ヤマハ発電機」「NTTドコモ」「ザクティ」「先端力学シミュレーション研究所」の5社が選ばれました。プロジェクトは2021年2月までを事業期間とし、21年内の市場投入を目標としています。
このような国内の流れから、国産ドローンを開発支援するサービスを「株式会社アトラックラボ」が開始しています。
ブラックボックスを信頼性のあるオープンソースで
ドローン開発において、フライトコントローラーやコンパニオンコンピュータの開発は敷居が高く、現状では日本のドローンメーカーは中国製のフライトコントローラーを活用しているケースが多いですが、コントローラーはブラックボックスとして使用する必要がありました。
近年の諸外国では、オープンソースのフライトコントローラーを採用しているケースが増加して来ており、その中でも注目されているArduPilot系オープンソースを使用。ハードには信頼性が高く採用実績の多い「The Cube」を使用した開発支援を行うとのこと。
「The Cube」は台湾と米国で生産されているそうで、ハードウェアもオープンソースとなっており、独自ハードの製作、カスタマイズも可能です。
出典:PRTIMES
ソフトウェアから汎用フレーム等の部品供給まで対応
開発支援サービスでは、フライトコントローラーの使用方法だけでなく、コントロールソフトウェアのカスタマイズや、AI処理を行うコンパニオンコンピュータの接続、開発支援も行っていくとのこと。
また、フレームの設計支援、カーボンやアルミ部品の製造支援、モーターやモータードライバーの選定、調達などのドローンを組み上げるのに必要な総合的な支援を行っていくそうです。
さらに同社で設計・製造した汎用フレームの部品供給も行うことで様々なアプリケーションに対応する独自ドローンを製作できます。
出典:PRTIMES
まとめ
現在日本国内でドローンを開発している主な企業としては「プロドローン」「ヤマハ発電動機」「エンルート」辺りが有名です。
ひとまず政府調達のドローンは2021年内には国産のものに置き換わり、実質的に中国製のドローンが排除される流れになることから、今後も今回の「アトラックラボ」のような国産ドローンの開発サービスを行う企業は増えるかもしれませんね。