こんにちは。現在地を知る方法として有名な測位方法としてGNSSがありますが、GNSSとは米国のGPSシステムやロシアのGLONASS、EUのガリレオなどの衛星測位システムの総称です。
日本では昔からGPSが使われてきており馴染みがありますが、GPSは米国のGPSシステムのみを利用しているということで、皆さんも体験されたことがあると思いますが、GPSだけでは精度が悪かったり、ビルや山などに邪魔されて位置情報自体がわからない状況になることがあります。
そこでGPS以外の他国の衛星測位システムも使い、あらゆる角度から電波を受けることでその精度を高く出来るというのがGNSSです。
GPS単独では数メートルの誤差があったものが、GNSSでは数センチまで高い精度で位置を知ることができるようになります。そんなGNSSの高精度な位置情報を、個人レベルで利用できるサービスが「ソフトバンク」の子会社から登場しています。
個人向けにセンチメートル級測位サービスの提供を開始
同社の子会社で、位置補正情報の生成や配信事業を行う「ALES株式会社」は、個人ユーザー向けに誤差数センチメートルの測位をするための補正情報をリアルタイム配信する「センチメートル級測位サービス」の提供を8月7日より開始。
農業用機材等をはじめとする農業機械の自動運転や運転アシスト、農薬散布のためのドローンの自律飛行などでの活用を想定しているとのことです。
出典:ALES株式会社
センチメートル級測位サービスについて
ALESの提供する同サービスでは、ソフトバンクの独自基準点が受信した信号を基に、ALES配信システムがGNSSからの信号を受け補正情報を生成。
補正情報はユーザーのGNSS受信機へインターネット経由で配信される形になります。その補正情報を受信したGNSS受信機でRTK測位を行うことで、誤差が数センチメートルという高精度な測位が可能になります。
出典:ALES株式会社
GNSSから受信を行うソフトバンクの独自基準点は全国3,300ヵ所以上に設置されているので、ユーザー自身が基準点を設置する必要がなく、全国のほとんどのエリアで手軽に補正情報を受信することが可能となっています。
サービス利用手順
1.RTK測位対応のGNSSアンテナやGNSS受信機など、補正情報を利用するために必要な機材を、農業機械やドローンなどの測位を行いたい機器に設置し、機材の電源を入れる。
2.スマートフォンやパソコンまたは機材付属のコントローラーから、Ntripクライアントアプリケーションを操作し、各機材と連携。
3.Ntripクライアントアプリケーションで「ALES配信システム」との接続設定を行い、各機材のインターネットへの接続確認ができれば準備完了。
4.以降、GNSSアンテナで受信したGNSS信号データが、アプリケーションを通して「ALES配信システム」へ自動で送信。そのデータと独自基準点が受信した信号を基に、「ALES配信システム」が補正情報を生成してGNSS受信機に配信するため、RTK測位が可能となります。
まとめ
各機材との連携でスマートフォンなどからシステムを通して補正情報を配信でき、またその補正情報データに関しては、ほぼ全国どこのエリアでも受信することができるというのは、大手インフラ企業ならではというところでしょうか?
ちなみにこのサービスの利用料金は年額で3万6,000円(税抜)となっており、ひと月あたり3,000円強というリーズナブルさ。
ドローンやその他の機器などで精度の高い測位を行いたい場合、利用して見る価値があるサービスになっていると思います。