地形を簡単に点群データ・地図化。ドローン用LiDARユニット

sugitec

こんにちは。今年はじめに日本国内でも5G通信がサービスインしましたが、5G通信が普及することで更に新しい体験や活用が見込まれる技術としてAR/VR、AI等があります。

ARに関してはその精度を上げる技術として、自動車の自律運転などに採用されているレーザー光を使ったセンシング技術の「LiDAR(ライダー)」があります。この技術は今年発売された新型iPad Proにも搭載され話題となりました。

そのLiDARをドローン搭載用にした「ドローン搭載用ライダー LiAir Vセット」という商品が、京都市の「株式会社光響」より販売開始されたとのこと。

災害時等に威力発揮。上空から地形を簡単に点群データ・地図化

まず「LiDAR(ライダー)」というセンシング技術についてですが、これはセンサーからレーザー光を照射することで、それが物体に当たり跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定するセンサーです。

広い範囲をスキャンできることから周辺環境の詳細な3次元マップを得られます。(ちなみにLiDARとは光検出と測距を意味する「Light Detection and Ranging」の略)

同社では、そのライダーを搭載したドローン用ユニットの「LiAir V」と「LiAirシリーズ基地局」「点群処理ソフトウェア」等で構成される「ドローン搭載用ライダーLiAir Vセット」を7月8日(水)より販売開始したとのこと。


出典:光響

製品特徴

この「ドローン搭載用ライダーLiAir Vセット」ですが、小型・軽量・高点群密度の「Livox」社製のライダー「Mid-40」をレーザーセンサーに採用。それをドローンに搭載することで、周辺環境を空中から簡単にリアルタイムに点群化し、環境地図を作成することが可能です。


出典:光響

ドローンは、先日DJIから新しく発売された「Matrice 300」に対応しているとのことで、従来は「Matrice 600」という大型のドローンで飛行時間も20分程度しか飛行できなかったものが、新型のMatrice300が出たことで、小型で飛行時間も55分まで大幅に伸びた形となります。

地上で取得した点群と上空の点群を重ねることも可能

同社では、現在販売しているというリュックサックのように人が背負って使用する形の「バックパック型ライダーDGC50」を用い、地上から取得した点群データを「ドローン搭載用ライダーLiAir Vセット」で上空から取得したデータと簡単に重ね合わせることが可能ということです。

通常、森林の上空から点群を取得しようとすると、木々が遮蔽物となり地面の部分までレーザーが届かないことから、詳細な地形データが取れないという問題がありますが、地上の点群データをバックパック型ライダーで取得し、それらを重ねることで完全なデータとすることができます。

災害時への活用に

近年では集中豪雨やそれによる地滑りの他、地震等の大規模な自然災害が多発しています。災害時は被害・犠牲の拡大防止を目的とした被災状況の迅速な把握が重要になります。

今回の製品を用いることで、地域・被災状況をドローンで上空から簡単に点群データ、地図化することができ、被災地域の早期復興と再生を後押しする技術となります。


出典:光響

まとめ

点群データを取得する方法としては、ドローンの撮影画像からソフトウェアで解析を行ったりという物がありますが、今回のものはライダーで直接広範囲を素早くレーザースキャンし、高精度な地図情報を取得できるものです。

災害時の活用は勿論だと思いますが、土木業界などでもかなり有効に活用できるシステムになっているのではないでしょうか。

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