こんにちは。建設業の事故でも特に重大事故に関しては、他業種と比較をしてみても多く発生しています。(厚生労働省の労働災害発生状況から)
中でも墜落や転落の事故や建設機械、クレーンとの接触事故、倒壊・崩落事故等の事故が全体の70%を占めており、これらの事故を予防していくことは継続的な課題となっています。
今回は、そんな現場での自己を未然に防止できるソリューションとして、AIを活用したエリア侵入を監視できるシステムが、「OKI」より登場したという話題。
AIにより危険エリア立ち入り検知と工事進捗に合わせた装置設置による工事現場の安全性向上
同社の提唱する「インフラモニタリングソリューション」のひとつ、「インフラ工事の工程・安全監視ソリューション」商品として、独自のモーションマッピング技術と、AIエッジコンピューターによって、リアルタイム性の高い監視と確実な警報通知を実現した可搬型エリア侵入監視システムの「Motion Alert」の販売を開始。
出典:OKI
インフラモニタリングソリューションとは
インフラ構造物・設備の維持管理業務向けに、AIなどのIoT活用技術によって、運用の異なる現場に合わせたコーディネイトを段階的かつ効率的に実現するソリューションコンセプト。「インフラの見える化」「インフラの状態診断」「インフラの劣化予測」「インフラ工事の工程・安全監視」の4つのソリューションで構成される。
Motion Alertは可搬型となっているので装置の移動・設置が容易。建設機械の移動や吊り荷の運搬、作業員の導線にあわせた柔軟な監視で、現場の安全性が向上。
装置は監視・制御・通知機能を持ったセンサー装置と、ランプ・ブザーなどの通知機能を持つ警報装置で構成されており、現場における高い信頼性を実現しているとのこと。
出典:OKI
センサー装置はOKI独自の3D LiDAR(レーザー距離センサー)と、4つのカメラを融合した高精度センシング機能を持った「モーションマッピング技術」およびAIエッジコンピューターで構成。
出典:OKI
カメラだけでは判別できない物体を検知・処理できるため、工事現場のような人や物が頻繁に動く場所、目視が困難な状況においても立ち入り禁止エリアへの立ち入りなどの検知・識別をリアルタイムかつ確実に実現するとのこと。
主な特長
簡単設置&移設
可搬型で設置・移設費用が不要。監視エリア(複数)の設定・保存が画面上で簡単に可能。
3D LiDARとカメラの連動による確実な検知・識別
3D LiDAR(レーザー距離センサー)と4つのカメラ(イメージセンサー)による追跡を行い、侵入者を確実に検知。またヘルメットの色の判定によって侵入許可者を識別。
複数警報装置による的確な注意喚起が可能
通信の信頼性が高い920MHz帯マルチホップ無線により、複数の警報装置のランプ・ブザーを的確に制御し、危険エリアへの侵入者に警告。
AI処理によるリアルタイム性の高い監視
危険エリアへの侵入者をAIエッジコンピューターが画像処理し、リアルタイムに識別。
屋外利用に適応した耐環境性を実現
以下の過酷な環境下でも使用可能
・温湿度動作条件:0℃~+40℃、35℃~80%RH(結露無し)
・防水、防塵:IP54
水の侵入に対する保護:いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない。
粉塵からの保護:機器の正常な作動に支障をきたしたり安全を損なう程の量の粉塵が内部に侵入しない。
侵入者数のカウントおよびスナップショット画像を蓄積
侵入者の数、侵入者の画像を確認することにより、かんりしゃが安全性を分析し現場を指導することが可能。
出典:OKI
主な適用例
落下事故予防
クレーンからの落下物(資材や製品)と作業員の衝突による落下事故予防。
接触事故予防
クレーン・バックホーの旋回による作業員との接触事故予防。
転落事故予防
工事現場、保守作業現場の作業員の転落事故予防。
出典:OKI
まとめ
可搬型であるため、装置を移動したりキャリブレーションの作業も不要であることから、工事の進捗によっては構造物ができたり、建設機械の移動、作業員の動線変更が起きたりということが頻繁にある現場でも、手軽に運用できる点は強みですね。
OKIでは今後も同システムを提供していくことで、現場での安全性の向上と事故削減への貢献を目指すとのこと。現場で作業をしているとついつい他への注意が散漫になる場合があり、作業員での相互の注意が必要となりますがカバーしきれない状況も当然出てきます。
そういった際にシステムの目で常に監視できるこのシステムは大変有用なものになっているのではないでしょうか。