こんにちは。3月30日に政府がドローン操縦に免許制度を導入するという方針を固めたそうです。時期は2年後の2022年。
ドローンの目視外での操縦で市街地の上空を飛行させる場合などの危険を伴う場合の利用に、免許の取得を必須にするという方向性のようです。一定の年齢制限、有効期限を設けて学科と実技療法の試験も課すとのこと。
危険が少ない場所の飛行には免許は必要としないそうですが、法令違反を犯した場合には免許の取り消しや更新の停止等も規定されるそうです。導入は間違いないでしょうし、業務でのドローン活用には必須のものとなりそうですね。
そんなドローンですが、本日は経済産業省が厚生労働省、総務省消防庁と連携し、プラントでの保安分野におけるドローンの安全活用の促進に向けた「ガイドライン」と「活用事例集」を改訂。また、「目視検査の代替可能性に関する考察」を取りまとめたとのことでそちらをご紹介したいと思います。
目視検査代替の検証実施、タンク等の屋内での活用促進
経済産業省はプラント保安分野におけるドローンの安全活用促進に向け、20年3月27日、消防庁、厚生労働省と連携し、19年3月に策定した石油精製、石油化学等のプラント屋外でドローンを安全に運用するための「ガイドライン」と、国内外企業の先行事例を盛り込んだ「活用事例集」を改訂しました。
また「目視検査の代替可能性に関する考察」を取りまとめたとのこと。これにより、プラントでのドローン活用の対象範囲がタンク等の屋内に拡大するとともに、人による目視検査の一部についてカメラを搭載したドローンにより代替できることが明確になります。
背景
石油精製、石油化学等のプラントにおけるドローンの活用は、設備の点検を容易にし点検頻度を高めることができるなど、安全性や効率性の向上、さらに保安業務の合理化を図るためには重要。
そのため、経済産業省では19年3月に消防庁や厚生労働省と連携し、プラントの屋外においてドローンを安全に活用するためのガイドライン等を整備。これにより事業者による試行的なドローンの活用が急速に進展しています。
一方、より本格的な実装に近づけるために、以下2点の課題を整理する必要があります。
1.タンク等の設備の外面だけでなく内面腐食の状況等を確認するため、通信遮断等のリスクを考慮しながら設備内部でもドローンを安全に飛行させること
2.カメラを搭載したドローンが、人による目視検査を代替する可能性を検証すること
これらの課題を整理するために、20年1月30日に経済産業省は「出光興産」および「ブルーイノベーション」と連携し、タンク内部を飛行させる実証実験を実施しています。
出典:経済産業省
これは以前にこのブログでも紹介していたものです。
概要
今般、実証実験で得られた知見や、有識者等から構成される研究会での議論を踏まえ、屋内での活用を対象範囲とすべく、ガイドラインや活用事例集を改訂するとともに、目視検査の代替可能性に関する考察をとりまとめたそうです。
これによりプラントでのドローン活用の対象範囲がタンク等の屋内にも拡大するとともに、人による目視検査の一部について、ドローンによる代替ができることが明確になり、今後のプラント保安分野でのドローン活用が更に拡大し、安全性や効率性のさらなる向上が期待されます。
ガイドライン等の改訂ポイント
・「プラントにおけるドローンの安全な運用方法に関するガイドライン」に、飛行対象範囲としてタンクや塔槽類塔の屋内を追加し、屋内で安全に飛行させるために必要なリスクアセスメントやリスク対策を盛り込んでいる。
・「プラントにおけるドローン活用事例集」に、出光千葉事業所で実施したタンク内での実証実験を通じて得られた、屋内を安全に飛行させるための知見や実際に検討した留意事項を新たに盛り込んでいる。
・「プラント保安分野における目視検査の代替可能性に関する考察」として、実証を通じ、目視検査のうち、腐食、摩耗、傷、スケール付着・堆積、破損、割れ、変形・ゆるみ、剥離といった不具合を確認する一次検査について、カメラを搭載したドローンによる代替が可能である旨を明記。
出典:経済産業省
まとめ
屋外のみを対象としており活用の範囲が限定的だった従来のガイドラインですが、この度の改訂でタンク内のおいてもドローンを活用できるよう範囲を拡大したものとなりました。
これにより、石油コンビナート等のプラントの内部の点検作業にドローンを活用できるようになることで、更なる点検の効率化や点検頻度の向上などが期待できると思われます。
ガイドライン・活用事例、活用事例集等は以下、経済産業省サイトページ下部より閲覧可能です。