こんにちは。ドローンの飛行に関するルールを定めた航空法改正法が施行された2015年12月、この当時は国交省への飛行許可申請は1,000/月程度だったそうです。
しかし今やその数は約4,000/月にまで大幅に増加しているそうで、申請無しパーソナルユースを含めるとかなりの数のドローン利用者がいるというのがうかがえます。
国内の各自治体の方でも当然のように活用が進んでいるドローンですが、この度兵庫県と神戸市が連携し推進している「ドローン先行的利活用事業」で、自治体として全国初の「レベル3飛行」による調査を実施したとのこと。
国際航業がドローンのレベル3飛行による森林資源調査に参画
日本アジアグループ株式会社の傘下企業である国際航業株式会社が、KDDIと合同で地方自治体として全国で初のドローン「レベル3飛行」による森林資源量調査を実施。
出典:日本アジアグループ
ドローンの「レベル3飛行」とは
山や河川、海水域、森林等の無人地帯において、ドローンの飛行状況や周辺気象状況の監視等を行う補助者がいない状況での目視外飛行が該当します。
少人数による遠隔地への飛行を可能にし、業務効率化が図れることから、今度のドローン活用拡大の重要ステップになると期待されています。
全国的にこの「レベル3飛行」の事例はまだ少ないとのことで、事例の多くは物流分野での実証実験であり、森林資源量調査では今回の事例が自治体として全国で初の試みになるとのこと。
この調査では、KDDIがドローンの「レベル3飛行」調査と撮影、国際航業が「レベル2飛行」による検証および全取得データの分析・解析を担当し、過去の航空測量データとの差分処理による伐採区画等の抽出を行い、ドローンを用いた空撮調査の優位性や「レベル3飛行」による遠隔地調査の効果を検証。
実施概要
こちらの実証は既に2月に行われています。内容は以下。
実施日時:令和2年2月26日(水)10時~
実施目的:樹高や立木本数調査等の森林資源量調査(現在は森林内において目視調査等で実施)について、以下2点を検証
・ドローンを用いた空撮調査の優位性(安全性、効率化、高精度化)
・レベル3飛行による遠隔地調査の効果
内容:兵庫県庁(神戸市)から約70km離れた宍粟市のドローンを遠隔操作し、同市の森林を高精細カメラを用いて空撮。
出典:兵庫県
まとめ
今後、全国的に本格的人口減少社会が到来し、少子高齢化は益々進んでいくことは確定しています。そのような状況の中で、安心安全な暮らしを支えるためには人的負担が大きくなっていくでしょう。
国内ではAIやロボット、ICT等のソリューションを活用し、この社会的な課題を克服していく「Society(ソサエティ)5.0※」の取り組みが始まっています。
出典:内閣府
※ Society5.0とは
これまでの人の社会、狩猟社会をSociety1.0、農耕社会をSociety2.0、工業社会をSociety3.0、情報社会をSociety4.0とするならば、それに続く新たな社会を指す言葉として「Society5.0」が提唱されています。 Society5.0では、IoTで全ての人とモノが繋がり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これまでの情報社会(Society4.0)の問題点を克服していこうという取り組み。
このSociety5.0の取り組みで大きな役割を担う技術として期待されているのがドローンです。
調査などで従来の手法と比較しても明らかな効率化が図れる技術であるので、日々各自治体でドローンの活用のニュースが出てきているように、本気で取り組みにきているのが分かります。
後はどこまで早急に規制緩和が進んでいくかという所です。米国では商用利用の全面的な緩和が推められているそうですが、この辺りの法整備は国によってデリケートな部分でもあるので、今は待つしかないという所ですね。