こんにちは。「空飛ぶクルマ」を開発している「株式会社SkyDrive」が、建設現場における重量物の運搬への活用に特化した「カーゴドローン」を開発中とのこと。
この度、大林組と共同でその「カーゴドローン」の実証実験を共同実施したというプレスリリースがありました。
建設現場での重量物運搬ドローンの実用化へ向け検証
SkyDrive社では、「空飛ぶクルマ」の開発を進める中、航空機開発のプロセスで培った技術を活用して重量物運搬に特化した産業用ドローン「カーゴドローン」の開発を開始。
また、建設現場で少子高齢化に伴う作業員の高齢化、および減少を見据えた対応が喫緊の課題となっている中、大林組では、作業員が技能や習熟を必要とする作業に集中し、単純な力作業を軽減できるように、現場ではAGV(※1) 2等を活用した資材搬送作業の自動化を進めているそうです。
しかし、土木現場では山間部や急傾斜地に立地することが多く、陸送による資材搬送作業の自動化は困難。また、そのような地形で人が資材を搬送する場合、自己災害が発生するリスクも生じます。
出典:大林組
大林組は、SkyDrive社が航空機開発のプロセスで培った技術を活用して、重量物運搬に特化した産業用ドローン「カーゴドローン」を開発していることを受け、作業員の負担軽減や労働力不足への対応、危険回避といった課題を解決するために、高い安全性を有するカーゴドローンを活用した資材運搬の実証実験に至ります。
※1 AGV(Automated Guided Vehicle)
人の運転操作がなくとの自動走行ができる運搬車のこと
実験の様子
実験概要とカーゴドローンの仕様
実験場所:知の拠点あいち(愛知県豊田市八草町)
実験内容:土木現場での利用を想定した様々な建設資材の自動搬送(土のう、木杭、ブルーシート等)
仕様
出典:大林組
全長:1.3m×全幅1.7m×全高1.0m
推奨ペイロード:30kg
飛行速度:40km/h
飛行可能距離:3km(最大積載時)
飛行時間:15分
運搬方法:機体固定式ボックス・着陸せず荷物を昇降するウインチ機構
この度の実験では、目視範囲内でのカーゴドローンによる自律飛行により、30kg程度の各種建設資材を安定して運搬できることが確認されました。
出典:大林組
今後両社では、実際の建設現場において実証実験を重ね、建設現場に適した機体の開発および効果的な活用方法を検討していくとのこと。
大林組は産業用ドローンの活用などによる建設現場の自動化を進め、作業員の作業負担の軽減や危険回避といった働き方改革や労働環境改善に努めていくとのことです。
まとめ
ドローンを活用した荷物配送も着々と進んでいる印象がありますが、こういった現場などを中心とした重量物を運搬するためのパワフルなドローンも色々と出てきましたね。
以前ご紹介したことのある「A.L.I. Technologies」社の物流ドローンのペイロードは驚きの50kg。ちなみに現在世界一のペイロードを誇るのがノルウェーの「GRIFFAVIATION」社の「GRIFF135」というドローンで、135kgを誇ります。
もはや人でも何でも運べるという感じですが、やはりこういう物は単純にペイロードが大きければ良いというものでもなく、安全面は勿論ですが現場に合った機動力や取り回しが求められるでしょう。
建設業界での人手不足は深刻で、それはこれからまだ進んでいきます。今から5年後となる2025年問題では約11万人もの技術者が不足すると見られています。人は急に増えるものではないので、こういったテクノロジーの積極的活用が益々求められそうです。