こんにちは。似て非なるARとVRですが、最近、ARのディスプレイがコンタクトレンズ型になっている「Mojo Lens」という製品が開発中というニュースがありました。自分の目そのものにディスプレイを付けるというまさにSFの世界。
出典:Mojo vision
何でも開発会社の「Mojo vision」という会社は、AppleやGoogle、Amazon、Microsoftという大手テック企業の出身者が創業している会社ということで話題になっています。
医療現場での活用を最優先しているということで、一般的な販売まではまだまだ長い道のりが必要かと思われますが、それが実現する頃にはどんな世の中になっているか想像もつきませんが楽しみですね。
VRに関しては、最近では大きなイノベーションは無く少し落ち着いてきた印象がありますが、5G通信などが加わることでさらに活用範囲も拡大してきそうです。
ということで本日はVRのリアルタイム配信を5G通信で実現したという話題。
「5G×低遅延VRリアルタイム配信×ネットワークカメラ」1秒以下の低遅延配信に成功
株式会社クリーク・アンド・リバーのVR分野の子会社である「株式会社VR JAPAN」が、コニカミノルタジャパンとNTTドコモとの共同で、「ドコモ5Gオープンラボ®Yotsuya(2019年12月開催)」にて、5Gを活用した共同実証実験において、大容量データとなる360°映像を1秒以下の低遅延で配信することに成功したとのこと。
出典:クリーク・アンド・リバー
この実験ではコニカミノルタの高機能ネットワークカメラ(MOBOTIX)の360°撮影映像を、VR Japanが所有する低遅延VRリアルタイム配信システムを用いてほぼ同時にVRゴーグルに配信。
360°映像のリアルタイム配信による双方向コミュニケーションが実現したことで、医療教育分野の遠隔教育ソリューションや、建設現場の安全管理における遠隔監視ソリューションなど、様々な社会課題解決への活用が期待されます。
社会課題解決への活用イメージ
このVR+5Gの活用が社会課題の解決にどのように役立つのか、今ひとつピンとこないと思いますが、医療業界と建設業界での活用方法としては以下のようになります。
1.医療業界向けの遠隔教育ソリューション
少子高齢化社会を迎える日本の医療現場において、患者の増加と医師不足は喫緊の課題です。また、遠隔地にいる地域医療の最前線の医師が医療を効率的に学ぶ環境が必要となっており、技術を有する医師の指導を受けられる医療教育体制を整えることが、無医地区や地域医師不足の解決に繋がると考えられています。
出典:クリーク・アンド・リバー
この医療業界向けの遠隔教育ソリューションでは、360°VR映像で視聴する側が自由な視点で見たい場所を見られる他、ピクチャ・イン・ピクチャ技術の活用で、手元をクローズアップした映像や超音波診断装置、画像診断ワークステーションなどの映像を画面上に映し出し、視聴者は視点を大きくずらすことなく確認が可能。
また双方向の会話も可能で、これによって遠隔地の医師は、画像確認や診断行為などの複数で複雑な医療技術を1つの映像で直感的に確認しながら、経験値のある医師が目の前にいるかのような感覚で技術指導を受けることが可能となります。
2.建設現場の遠隔監視ソリューション
建設現場では労働災害を防止するための措置が最も重要。現場で働く人の安全と健康を確保し、快適な職場を形成することが求められています。
また、労働力不足の解決が課題となっている建設業界は、安全管理の技術を有する人材の確保も、今後は益々難しくなると言われています。
出典:クリーク・アンド・リバー
建設現場の遠隔監視ソリューションでは、高機能ネットワークカメラ(映像解析~検知機能)の360°撮影映像をほぼ同時にVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)に配信できるため、遠隔にある監視センターが現場の状況をリアルタイムで確認したり、現場とのコミュニケーションも図れます。
これまで人が巡回して監視したり、一方向のカメラによる監視だった現場を、遠隔監視ソリューションとMOBOTIXの機能(解析と検知、通報)により、頻度を高く詳細に広範囲に監視することが可能となり、安全管理への寄与が期待されます。
まとめ
VRは現実世界とは遮断され、その世界に一人で入り込んでいくという印象があるのですが、360°カメラで現実世界を写し、その視界を共有することで外部からのアドバイスを受けられたり、監視カメラの視界をHMDに配信するというようなことが可能になります。
そこには次世代通信である5Gがあればこそ。来月から順次サービス開始される5Gですが、5Gが普及することで単に通信速度が早くなるというだけでなく、多数分野のテクノロジーの活用が加速していきそうです。