KDDI、複数の5G接続ドローンで地域観光促進の実証実験

sugitec

こんにちは。アメリカや韓国では今年4月頃からサービスが始まっている5G通信ですが、日本でも2020年にはサービスが開始される予定。各社の開始時期はあくまで予定時期ですが大手では以下のようになっています。

◆NTTドコモ:2020年春、◆KDDI:2020年3月、◆SoftBnak:2020年3月頃

あくまで予定でもあり、4Gの時のようにサービスが開始されたからといって全国のどこでも繋がるようになるわけではありません。首都圏等を中心に徐々にエリアが拡大していくことになるでしょう。

そのスピードは各社が設置する予定の基地局の数によっても変わってきますので、使えるまでにかなり時間を要すキャリアもありそうです。今の所NTTドコモが基地局への投資額に関しては頭一つ抜け圧倒的です。普及が遅いキャリアだと5Gの為に乗り換える人も出てきそうですね。

さて本日はそんな5G通信を活用したドローンで、熊本県は阿蘇の地域観光促進の実証実験を行ったという話題。KDDI東海大学株式会社エア・カメラ、ドローンエンジニアチームAgridの協力で行われました。

ドローンの360度ライブ映像を5GでVRへ伝送。ドローン視点の空中散歩という新たなサービスに

この実証試験ですが12月6日~13日の間に、道の駅「あそ望の郷くぎの」で行われました。「5G」を活用して2機のドローンに搭載した360度カメラからの映像をリアルタイムに体験者のVRゴーグルへ伝送。


出典:KDDI

体験者が「南阿蘇地域の観光スポットをドローンの視点で自由に飛行体験できる」という新しい観光サービスを実証するものとなります。

また、この試験ではドローンに搭載した4Kカメラの高精細映像を5Gで伝送し、その映像を見ながらリアルタイムでドローンを制御するという実験も実施したそうです。

貴重な観光資源の多い南阿蘇地域。しかし観光客が容易に立ち入れない危険も

南阿蘇地域には、阿蘇山や絶滅危惧種のハナシノブなどの群生地、あの熊本地震で被災した東海大学舎をはじめとする震災遺構等の貴重な観光資源が多数存在します。

しかし、阿蘇山では火口付近のガス濃度や火山活動などの状況により、しばしば入山が規制されることがあります。また、震災遺構では崩落の危険性もあり観光客が容易に立ち入ることは難しく、そういった事から南阿蘇の魅力を十分に伝えるのが難しいという課題があるとのこと。

5G+VRで新しい観光体験を

そのような課題から、今回の試験では道の駅「あそ望の郷くぎの」に5Gエリアを構築。2機のドローンの360度カメラで撮影した映像を、5Gを活用しVRゴーグルに伝送し、ドローンの視点で南阿蘇の景色を眺望するという検証を実施。


出典:KDDI

さらに事前収録した南阿蘇の様々な観光スポットの映像を組み合わせ、人が立ち入れないエリアも含めた南阿蘇の魅力をVRで視聴するという新しい観光体験の検証も行われました。


出典:KDDI

複数の5Gドローンからの360度VR映像の伝送が可能となることで、遠隔地に対しても南阿蘇地域の魅力を発信できるなど、観光誘客への活用が期待されます。

また、5Gと4K伝送システムを活用し、ドローンの4Kカメラから撮影した超高精細映像を地上設置モニターへ伝送。その映像を見ながらリアルタイムにドローンを制御できることも確認されたそうです。


出典:KDDI

これが可能になることで、空を自由に飛び回る飛行体験による地域の観光振興への活用や、災害現場での迅速な状況把握など、防災・減災への貢献が期待できます。

まとめ

ドローンに搭載された4Kカメラからのライブ映像を、リアルタイムにVRへ伝送するというのは、まさに5Gがあるからこそ可能なことです。観光地ではこのようなサービスはどんどん出てくることでしょう。

5Gの大きな進化部分として上り速度の高速化が挙げられます。これを活かすことができるのが今回のような高精細映像の伝送です。大容量のデータをクラウド送信することが容易になることで、今回のようなサービスが生まれる他、例えば人工知能の映像認識に関しても現在よりもさらに高度なものになっていくと考えられます。

来年は5Gの元年として、国内に普及しきる頃には我々の生活がどう変わっているのか楽しみですね。個人的には後10年もすればスマートフォンすら持っていない世の中になっている可能性は高いと思います。

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