空の貸出しサービスを運営するトルビズオンが「Be Smart KOBE」事業実施候補に選定

sugitec

こんにちは。ドローンは人口密集地や空港、重要施設等を除けば許可なくどこでもフライトさせることができるという認識の方は多いかと思いますが、厳密にはXです。

例えば仮に人口密集地ではないが、人家などが密集している所を飛ばす場合は国交省への許可申請が必要となります。しかし、それが認められていたとしても私有地が第三者のものである場合は、その第三者の承諾がなければフライトさせることはできません。

というのも、民法207条に「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下にも及ぶ」とあります。これは私有地の権利は土地だけでなく、上空や地下(約300m)にも及ぶということを表しています。

承諾なしにドローンを第三者私有地に侵入させた時点で、違法行為になるということは覚えておいた方が良さそうです。通報されれば損害賠償の対象になる可能性がありますので。これはドローンが200g以下のものであるかないかは関係ありませんのでご注意を。


出典:PRTIMES

そんな民法の制限によって日本のドローン普及に足かせになっている所はあるかもしれません。そんな課題を経済を利用し解決しようと「空の利用権を売買する」という、これまでにない斬新なサービス開発したのが株式会社トルビズオンの「sore:share」。


出典:PRTIMES

これは土地の所有者とドローンユーザーを繋ぐプラットフォームとなっており、土地の所有者は時間単位で土地の上空での飛行権を売り出し、ドローンユーザーがその利用権を買う、というサービスです。

ドローンを飛ばせるくらいの土地がある人は、練習場としてドローンユーザーに貸し出して利益を得られますし、ドローンユーザーは安心して飛ばせる場所を得られるので双方にメリットがあります。

福岡市や下関市、つくば市に続き、神戸市でもドローン配送実現へ

そんな「sora:share」を運営するトルビズオンが、この度神戸市が主体となって課題解決をおこなう「Be Smart KOBEプロジェクト」の事業実施候補者に選定されたとのこと。

Be Smart KOBEプロジェクトとは?

神戸市が主体となり、世界が直面する人口減少や高齢化、エネルギー転換などの課題を先進的な技術を活用しつつ、サービスの受け手の視点で人間中心的に解決することを目指します。


出典:Be Smart KOBE

神戸が誇る「海」と「山」をフィールドとした「Human×Smart」な都市づくりに関する事業提案が募集され、採択された事業は、神戸市から実施にあたっての関係者との各調整、事業者間の連携支援、規制緩和にかかる申請、事業の周知・広報等の支援が得られます。

神戸市とトルビズオンで実現するドローン社会

トルビズオン社では、これまでに広島県府中市、福岡市、山口県下関市にて自治体等との連携で、ドローン配送を実現してきています。

今回のプロジェクトの採択により、新たに神戸市との連携がスタート。神戸市でのドローン配送実証実験に向けて協議を進めていくそうです。

プロジェクトでは将来的なドローン社会を見据えて、通常の配送業務のみの実施だけではなく、災害時の物資輸送など、より社会的な意義を持ったドローン活用を検討します。

まとめ

この神戸の都市づくりプロジェクトでは海フィールドと山フィールドがあり、トルビズオン社では六甲山を中心とした山フィールドでのドローン配送の実装プロジェクトを提案しています。

冒頭に書きましたが、現状の民法では土地の所有者での許可が必要になりますが、同社の「sora:share」を活用することで飛行可能空域を確保していく目論見です。

配送に使用するということになれば、配送ルートに位置する土地所有者がドローンのインフラを握っているようなものなので、何もせずとも継続的な収入が入ってくるのでしょうか(詳しくは分かりませんが)。

「Be Smart KOBE」では、今回のトルビズオン社のドローン関連の他にも様々な事業が進行中です。数年後に神戸市がどう変わっているのか楽しみですね。

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