こんにちは。先日DJIより発売された規制対象ギリギリの、199グラムという重量に抑えられたスマホ感覚で持ち運べる高性能小型ドローン「Mavic Mini」が話題になっていました。
ドローンが話題になっていると言ってもまだ一般的には敷居が高く、実際に購入して趣味等で活用している人はそれほど多くないと思います。
しかしこの「Mavic Mini」が出てきたことで、多少はその裾野も広がるでしょう。こういうドローン分野に興味を持ってもらえる商品は重要ですね。しかも機能的にも本格的。さすがはDJIという所でしょうか。
さて、本日はドローンの話題。国内トップの実績を持ち世界に支社を構える、ご存知「テラドローン株式会社」ですがカナダにある地下鉱山の測量や点検サービスを提供する企業と出資契約を締結。現地法人を設立したそうです。
カナダを拠点に全世界へサービス提供
出典:テラドローン
今回テラドローンが出資したのは「UAS Inc.(Unmanned Aerial Service Incorporated)」というカナダを拠点に地下鉱山に特化した測量・点検サービスを提供している企業。
これまでに「Barrick Gold」「Newmont Goldcorp」「Vale」「Glencore」等、世界における大手鉱山企業に対してサービスを提供しています。
◆Barrick Gold社(https://www.barrick.com/English/home/default.aspx)
金鉱業界で唯一のAランクのバランスシートを誇っており、金鉱業界で最大の生産量、埋蔵量、市場資本化率を有している。
◆Newmont Goldcorp(https://www.newmontgoldcorp.com/)
2011年4月、カナダのFronteer Gold Inc.を23億ドルで買収。これにより、同社は世界第2位の金生産国となる。2019年にはカナダのGoldcorpを100億ドルで買収し、Newmont Goldcorpに名前が変更。
◆Vale(http://valejapan.com/?lang=en)
主力商品は鉄鉱石。鉄鉱石の生産・販売のシェアは35%で世界一のシェア率を誇る。収益は340億アメリカ合衆国ドル。
◆Glencore(https://www.glencore.com/)
スイス・バールに本社を置く鉱山開発及び商品取引を行う多国籍企業。登記上本社は、タックス・ヘイヴンとして知られるイギリス王室属領のジャージーに存在。総資産は1,246億ドル、収益は2198億アメリカ合衆国ドル。
テラドローンは、ご覧の通りこれらの大手企業に対して測量・点検サービスを提供している企業に出資し、現地法人「テラドローンマイニング」を設立し、地下鉱山に特化した測量・点検サービスを全世界へ向け提供していく形になります。
今後は北米をはじめ、南米、中米、南アフリカ、中央アジア、ロシア、オーストラリアなどの坑内掘が盛んな地域で重点的にサービスを展開していくそうです。
地下鉱山の現状
地下鉱山では過去100年間以上、落盤や出水、火災、爆発などの事故が世界中で深刻な問題になっています。米国では今年に鉱山作業員の死亡事故が20件以上も発生しており、依然現場での事故が多いというのが現状のようです。
出典:テラドローン
この被害を最小限に抑えるためには、SLAM機能(自己位置推定しながら地図を作成する技術)を搭載したドローンで測量を行うのが有効であり、SLAM搭載ドローンを地下採掘現場で飛行させることで、現場内部の3Dモデルを取得できます。
出典:テラドローン
従来のやり方では把握ができなかった深部の詳細までを把握できることで、作業員が危険な場所に立ち入ることなく現場測量ができるため、安全で効率的な採掘が実現します。
まとめ
この度のテラドローンの出資で、UAS Inc.が長期に培ってきた地下鉱山の点検ノウハウと、現地でのサービスネットワーク、テラドローンの持つ最先端UAV技術を組み合わせることで、より付加価値の高いサービス提供につながることが期待されます。
テラドローンでは今年、石油企業に対してオイル・ガス点検を行う企業「Ocean Atlantic International」への出資や、ドローンのUTM(運行管理システム)を開発提供するベルギーの「ユニフライ」への出資等、出資の話題が多くあった年でした。
テラドローンのグローバル化はとどまるところを知りません。現在テラドローンのグローバル市場での評価は「CyberHawk Innovations Limited」につぐ第2位。まさに世界のテラドローンです。来年あたりにはトップになっている可能性もありそうです。