こんにちは。以前にご紹介したことのある、丸紅アークログ株式会社の運営するBIMオブジェクトの利活用ができる、BIMの総合検索プラットフォームの「Arch-LOG(アークログ)」。
この「Arch-LOG」は建設業などのあらゆる工程において、飛躍的な効率化と精度の向上を可能にするBIMオブジェクトを検索することができる総合プラットフォームです。
建材メーカー名や製品名、建材の種類などをキーワード検索することで、建材のBIMオブジェクトが無料でダウンロードすることができます。また、そこからメーカーにカタログやサンプルなどのリクエストを出すことも可能。
出典:大林組
ユーザー登録をすることでプロジェクトの登録ができ、案件ごとの建材管理に利用できます。建材メーカーの情報は、例えば廃盤にした製品があればその情報はすぐに反映され、常に最新に保たれています。
このように「Arch-LOG」は業界の業務に関わる様々な人々の利便性、業務効率の向上を担うワンストップサービスとして運用されています。利用はもちろん無料。
強固なプラットフォームによりBIMの活用を加速させる
先日この「Arch-LOG」を運営する丸紅アークログと大林組がアライアンス締結をしたということで、ご紹介させていただきました。
今回も新たに「株式会社梓設計」と11月1日付でアライアンス締結されたということで、また「Arch-LOG」のBIMオブジェクト拡充が加速していきそうです。
背景
急速なデジタル化が進む建設業界。特に建物が完成する前に三次元で設計し視覚化できるBIMを活用していくことは業界では急務。梓設計でも設計の品質・スピードを飛躍的に向上させるBIMを有用な設計ツールとして積極的な活用をしているそうです。
BIMは設計の品質を担保・向上させるだけでなく、AIやIoTといった技術と連動した新たな設計技術の創出、施工段階における総合的な干渉チェック、建築物のファシリティーマネジメントを実現するなど、建物の設計から施工、使用段階に至るまで重要なキーテクノロジーとなっています。
出典:大林組
BIMを使った設計では、仮想空間内でBIMオブジェクトを選択・集約しながら構築していくことになりますが、これまでは、データフォーマットや内部プロパティが統一化されていないことによる品質のばらつきやタイムロスが発生しています。
業界が進展しているにも関わらず、それに追従できるようなプラットフォームが存在しない、また各メーカーのBIMオブジェクトが圧倒的に不足しているという部分も普及における問題であり、総合プラットフォームの登場が待たれていました。
出典:PRTIMES
そのような所に「Arch-LOG」が出てきた訳ですが、以上のような課題解決のために、梓設計では「Arch-LOG」を介してBIMを有用な設計ツールとして取り入れ、活用を進めていくために今回のアライアンス締結となったそうです。
Arch-LOG活用メリット
「Arch-LOG」には一般的な建築部材、建材メーカーの作成しているオブジェクトや各素材のカタログデータだけでなく、衛生陶器や厨房機器、医療機器などのオブジェクトデータも同一のプラットフォームに格納されています。
またBIMアプリとダイレクト連携できるため、オブジェクトの検索やBIMに取り組む手間、さらには素材選択からサンプル依頼、マテリアルボード作成まで、大きな省力化が図れます。
さらに、関係者間の意思決定の面では、高精細なレンダリング機能を活用することで迅速化を実現。
まとめ
同社ではこのアライアンスを通し、得意としている空港施設・鉄道関連施設のほか、都市・商業施設、スポーツ、エンターテインメント施設、ヘルスケア施設など、あらゆる分野の設計に「Arch-LOG」を活用していくそうです。
これによってBIMオブジェクトプラットフォームの拡充を積極的に推進し、「Arch-LOG」のBIMデータベースと連携することで、新たなアプリケーションサービスとのコラボレーションも模索してデジタルトランスフォーメーションを積極的に進めていくとのこと。
BIMは非常に有用ではありますが、現状ではまだまだオブジェクト等が不足しているのが課題です。先日の大林組に加えて今回梓設計が参入ということで、「Arch-LOG」は益々利用価値の高いプラットフォームへと成長していきそうです。
◆記事参考:PRTIMES「BIMの有効活用で可視化設計を進めるため株式会社梓設計と丸紅アークログ株式会社がアライアンスを締結」