高所作業に革新的な壁面メンテナンスロボットが提供開始

sugitec

こんにちは。昨日も書きました和歌山県の足場からの鉄パイプの落下事故ですが、警察の調べによると当時作業をしていた作業員は「鉄パイプを誤って落としてしまった」という説明をしてるようです。

工事の元請けと下請け業者の名前も出ていました。同情する訳ではないですが、こういった死亡事故など重大事故にまで至ってしまうと、当たり前ですが多くの対応を迫られる事象が休む間もなく一気にやってきます。

こうなってしまうと企業の社会的責任は勿論ですが、今まで皆で苦労して頑張ってきた全てが、一瞬で水泡に帰す事態となります。そして業界全体に与えてしまうイメージも良いものではありません。

安全というものは特に多忙になるとついつい軽視されてしまいますが、そのような意識で事故が起こってから後悔するのは愚かなことです。忙しい時こそ丁寧に。安全第一は常に意識していきましょう。

さて、本日は労働者不足の解消に向けたロボット活用の話題。高所作業を効率的に行えるロボットを活用した壁面メンテナンスソリューションをご紹介。

足場の設置不要。革新的な高所作業・壁面メンテソリューションが提供開始

近年では、国内の大規模なプラントや特殊建築物は建築から数十年を経ており、老朽化対策が課題になっており、それらは沿海部に建設されていることも多く、腐食を防ぐためにも恒常的な外壁のメンテナンスを必要としています。

外壁メンテナンスにおける高所作業については、足場の架設後に作業を行うために工期が長くなることや、労働人口の現象による熟練技術者不足が課題となっています。

また、昨今では異常気象による強風などでの足場倒壊や、ゴンドラの落下等の事故が世界各地で起こっており、高所作業におけるテクノロジーの登場が待たれていました。

そこで株式会社アイ・ロボティクスでは、それら社会課題解決を目指すベンチャー企業として、いち早くこの課題を解決する革新的な高所作業ロボットの開発に取り組んできたそうです。

アイ・ロボティクスと言えば、狭隘部のドローン点検サービスを提供しているということを過去にご紹介したことがある企業

壁面メンテナンスソリューションの特徴

高さ20m超の壁面に接触しての作業が可能

独自吊り下げ式ウインチ機構と壁面吸着機構、及び役務作業基材や制御プログラム等の組合わせ(特許申請中)により、従来は足場が必要だった20m以上の高所においても遠隔・プログラム操作により、スムーズに物理検査・洗浄・補修などの作業が可能。

ドローンとの組み合わせ作業が可能

屋上への侵入が難しい建屋の壁面においては、上空に飛行させた特殊ドローンにより壁面吸着作業機の上下左右の移動を補助して運用することが可能。

特殊な飛行申請を必要としない作業

独自の吊り下げ機構と壁面吸着機構の組み合わせにより、特殊な飛行申請を不要とし安全かつ確実に作業を遂行することが可能。

従来は飛行申請に手間が掛かった都市部でのドローン検査作業も、壁面吸着型ロボットを利用することにより飛行申請の手間が大幅軽減されます。

独自の保険カバー


出典:アイロボティクス

三井住友海上との連携で、同社が提供するサービスには対物10億円の補償が付加されます。

ソリューションのメリット

壁面メンテナンスソリューションのメリットは以下。実際の作業は従来型工法とロボット作業のメリットを組み合わせた形で行うため、高所作業人材の不足に対応しながら徐々に現場人員をロボット作業が行えるよう訓練することが可能。


出典:アイロボティクス

想定される対象


出典:アイロボティクス

まとめ

ドローンが普及してきたことにより、足場を不要とする壁面の調査も増加してきました。ドローンを活用することでコスト削減になったり、足場での高所作業より安全性も高いことからメリットは大きいです。

しかしドローンの場合は飛行申請が必要となり、そこに多少なりとも手間と時間は掛かってきます。今回ご紹介した壁面メンテナンスソリューションのロボットでは、吊り下げ機構と壁面に吸着する機構のため、飛行申請を必要としないのはドローンと比較してのメリットですね。

後はドローンと違い、物理的に吊り下げられているのと壁面へ吸着していることから、ドローンに起こり得る制御不能の墜落という事態は防止できそうです。

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