こんにちは。建設工事の現場では、定例の打ち合わせや確認すべき項目などその数は膨大で、打ち合わせなどは時に長時間に及ぶ場合もあり、多くの時間がかかっていることに頭を悩ませている人は多いかと思います。
打ち合わせ時間を短くするには、日々の進捗情報を常に共有したり、打ち合わせをやる場合は打ち合わせ前に参加者で必要情報を事前共有しておくというようなことが必要になってきます。
本日は情報共有をすることで、現場の打ち合わせ時間や現調にかかる時間を削減できるという大成建設が展開するサービスをご紹介。
建設生産プロセス各フェーズにおいて生産性向上に寄与
こちらは建設工事の企画・設計・施工・維持管理の各建設生産プロセスにおいて、建物を3Dモデル化することで、建物の詳細情報を関係者間で共有ができるようになるというサービス。
出典:大成建設
3Dモデルから情報が共有できることによって、関係者間の工事にかかわる打ち合わせ時間や、現地調査にかかる時間の削減に繋がり、生産性の向上に繋がります。
国内の課題
日本社会では、過去の高度経済成長期における大量生産・大量消費の「フロー型」社会から、近年では価値ある社会資本を長持ちさせることを重視した「ストック型」社会への転換期を迎えています。
かんたんに言うと「良いものを作ってそれを長く大事に使っていく」という社会。20年30年経てば二束三文の価値になるようなものではなく、次世代に繋いでいけるよう価値を維持していくということになります。
建設業ではそのストック型社会に備え、既存建物のリニューアルやリノベーションに向けた計画、設計、施工、維持管理にかかわる新たな技術開発や生産性の向上が求められており、その対応が求められています。
写真で空間を取り込むカメラmatterportを活用
同社ではこの課題を解決するために活用されたのが、米国の「matterport」社が開発・販売している3D赤外線スキャンカメラ。
このmatterport社の製品は以前このブログでもご紹介させていただきました。常にブログアクセス数上位の人気記事です。
専用アプリを入れたiPadとカメラが連携し撮影がオートメーション化されていることで、知識がなくても誰にでも撮影ができるというもの。
出典:大成建設
通常、3次元モデルを作成する際は3Dレーザースキャナーなどで点群データを取得し、それを3次元データに変換するという流れが一般的だと思います。
しかし、このカメラは点群データは取得しません。写真だけで奥行き情報までを完全に取得し、空間を丸ごと再現してしまうのが凄い所。
このカメラに4K画像合成クラウドを活用して作成した建物3Dモデルを基に、建物内の3Dウォークスルーによる空間体験や、現状3Dモデルと完成モデルを融合させ、設計・施工の事前検証を行うプレコンストラクション等のサービスを開始。
同社ではこれまでに約30件の施工中建物、既存建物を3Dモデル化。その性能などの検証を行った結果、建設生産プロセスの各フェーズにおいて、打ち合わせ時間削減等の有効性が確認されたそうです。(下図)
出典:大成建設
まとめ
上記の動画を見ていただければ分かるとおもいますが、思った以上に綺麗に3Dモデル化されていますね。図にもありますが、このカメラを活用することで5つものサービスが提供可能になっています。
出典:大成建設
図面の内建物を簡単に3Dデータで保存できるというのは良いですね。3Dデータがあることで、事前確認やVRなどにも容易に活用できる汎用性の高さが魅力です。