こんにちは。御存知の通り、近年の建設業界では人口減少や熟練技術者の高齢化などの問題があり、人手不足問題は喫緊の課題で、生産性の向上は急務となっています。
出典:NTTドコモ
そんな中、これまで「Shinka×ICT(シンカ・バイ・アイシーティー)」を掲げて、ICTの積極的な活用を推進してきているのが東急建設。
出典:東急建設
その東急建設が建設現場全体のICT化を目指し、NTTドコモの建設現場IoTプラットフォームの検証実験を開始したという記事を書いたのが昨年の2月末でした。
そこから約1年8ヶ月。モデル現場の舞台を千葉県内へと移し、その成果を実証中とのこと。
同社初。先端技術を結集させたICTモデル現場を設置
東急建設では、建設現場の働き方改革と生産性向上、安全・品質の確保の同時実現を目指し、千葉県内の建築現場「船橋市立塚田第二小学校・放課後ルーム新築工事」をICTのモデル現場とし、様々なICT/IoT技術を駆使した施工管理を実践、検証しています。
このモデル現場では、これまでは個別導入してきたICT/IoTの先端技術を総合的に採用することで、個々の効果だけに留まらず、それらを連携することで飛躍的な成果に繋がることを目指しています。
出典:東急建設
上図はそのモデル現場のイメージ図ですが、このモデル現場は検証の為だけでなく、社員はいつでも見学ができるようになっているそうで、他の案件にも活かせる環境を提供するショーケース的な役割も持たせているとのこと。
その他イメージ図以外のICT/IoT技術
1.図面管理ツール
現場事務所サーバーとタブレット端末を連動させることで、元請社員・作業員が現場内で最新図面をデータのまま閲覧でき、チェック項目等の迅速な確認が可能。
従来では紙ベースの図面を現場へ持ち込みチェックを行っていたため、図面内容が更新させるごとに印刷が必要だったが、このツールにより大量の図面印刷・持ち運びが不要となります。
2.写真管理ツール
従来の工程写真の撮影は黒板・図面・チェックシート等を現場に持ち込み実施していたが、タブレット上に全ての機能を集約することで持ち運ぶものが大幅に削減。また、撮影写真は定型書式に自動整理可能で、作業時間の削減に大きく寄与。
3.ビジネスチャットツール
ツール上で現場内の元請社員・作業員と会話や写真を共有することで、コミュニケーションの向上を図ることが可能。また、一斉配信やグループトークにで即時に情報伝達が可能で、情報共有・伝達ツールで懸念される情報漏えいにも対応。
4.施工BIMの活用
3次元データでの可視化により、工事関係者との施工検討・手順の共有が可能に。また、コンクリートボリューム等の数量情報をBIMから自動集計することにより、従来手計算で行っていた数量算出作業が大幅に削減されるなど、日常業務における生産性向上にも寄与。
5.電力線通信を採用した敷地内WiFi化
電力通信を活用し仮囲い内全域に安定したネットワーク環境を構築することで、施工現場で様々な通信デバイスを利用することが可能。
出典:東急建設
まとめ
イメージ図に出ている各種のソフトウェアなどは、これまでにも様々な会社からサービスが提供されてきていますが、それらを全て連携できるようにすることで、プラットフォーム上で管理。
全ての情報を可視化することで、例えばタブレットひとつでそれぞれの状況を把握することができるようになります。
現場の中で今どこがどうなっているのか?どこに問題があるのか?がひと目で分かるようになることで、現場全体の効率的な管理が可能になりそうです。
また、逆にその管理に関しても人工知能などを活用することで、最適な対応ができるようになるのでしょうね。まさに近い将来の現場の姿ではないでしょうか。