こんにちは。先日消防庁から8月1日から18日までに全国で熱中症で搬送された人の累計数が発表されました。その数3万1713人。
これは統計開始以来の過去最高数を記録してしまったそうで、恐ろしいのは1日~18日までの時点で過去最高であった昨年8月の1ヶ月分の搬送者数を超えているらしく、さらに数は増えてしまいそうです…。
いかに今年の暑さが尋常でなかったかが分かります。まだまだ残暑厳しい日が続きますので、前より暑くなくなったと感じても油断せずにいきましょう。
さて、本日は老朽化するインフラのひび割れ等の劣化に対し、IoTを活用してスマホ等で手軽にその状況を確認できるサービスが開始されたそうなので、そちらをご紹介。
点検要領改定による監視の現場導入の加速に貢献
今回ご紹介の技術はCACH(カック)株式会社の開発で、老朽化したインフラの点検等で検知されたクラックや位置の変化である変位について、それらの状況をスマートフォンやPCで安価に手軽に確認することができるというIoTサービス。
本年から定期点検要領が改定され、現場では維持管理においてさらなる監視サービス導入が進んでいくという期待がされており、これによって維持管理費用の低減や省人化、災害時の初動迅速化などに貢献が期待されます。
出典:CACH
開発背景
インフラの維持管理にかかる予算や職員不足の問題
国交省が地方自治体に向けて行った調査で「公共構造物・公共施設の老朽化が進行する中で今後懸念することは何か?」という質問に対し、86.2%が「予算不足等により構造物等の機能・サービス水準低下ほか安全性に支障が出る」
次に69.5%が「老朽化する構造物が増加し、適切に維持管理・更新を行うための職員数が不足する」という回答結果となっています。
点検要領の変更により監視も措置の一部に
2014年から開始されている定期点検ですが、2019年で1巡となります。国交省ではその1巡目の点検結果を踏まえ、効率化や点検を支援する新技術の積極的な活用見直しの方向性として、本年2月に道路橋定期点検要領を改定しています。
改定要領の内容で「監視は対策を実施するまでの期間、その適切性を確認した上で、変状の挙動を追跡的に把握し、以って道路橋の管理に反映するために行われるものであり、これも措置の一つであると位置づけられる」との記載。
改定によって監視も措置の一部と位置づけられたことから、予算や職員が不足する自治体が監視を行う機運が高まっているそうです。
サービスのメリット
・定量的なデータによる日常点検の効率化
・適切な対策(補修・修繕・利用停止等)の検討材料
・地震など災害時の迅速な初動
・予算申請の根拠
サービス特徴
1.定量的なデータにより対象物の劣化状況を検知
2.片手で持ち運びができる大きさと重量
3.電源不要。内蔵バッテリーで数年間の稼働
4.観測建屋は不要。スマホでデータ確認や設定変更も可能
5.ソフトのインストール不要。スイッチONですぐに計測
出典:CACH
まとめ
これまでCACH株式会社では、ひずみの監視サービスを提供していたそうですが、今回のサービスでひび割れにも対応可能に。そのため適切なセンサを組み合わせることで、対象のひび割れが生じる前から、ひび割れが生じた後まで監視が可能になっているそうです。
従来の方法では、測定器やそれ専用のパソコン、それらを使用するための電源が必要で、しかも手軽にスマートフォンから確認できるようなシステムではありませんでした。
センサ等の技術の発達で測定と発信の機能を持つコンパクトな機器となり、PCはもちろん手軽にスマートフォンからの確認も可能になっています。
劣化状況を確認するために大掛かりな準備も必要なくかつ人手も抑えられることから、特にインフラメンテの遅れている地方自治体には大いにメリットのあるシステムになっていると言えるでしょう。