こんにちは。天気の良い日が続きますが、これから本格的に熱中症にも気をつけなければならない時期になってきましたね。特に明日は気温が30℃まで上がる予報になっていますので十分注意していきましょう。
消防庁の発表では、すでに4月29日から5月5日までの直近の週で全国で342人もの人が熱中症で救急搬送されているそうだ。
もうそんなに熱中症患者が出てきているんですね!?消防庁の把握している数なので実際はもう少し多い可能性もありそうですね…
軽い症状で救急を呼んでいない場合も含めるともっと多いかもしれないな。ちなみに年齢別で見ると乳幼児が1.2%、児童が20.8%、成人31.9%、高齢者が46.2%となっている。自分はならないと高を括らずしっかり予防はしておくべきだ。
放射性物質を可視化するカメラを搭載したドローンによる3次元可視化
さて、本日もドローンの話題です。様々な分野で活用が進むドローンですが、本日は放射性物質を可視化できるカメラを搭載したドローンで、環境中の放射性物質の分布を3次元で可視化できるというシステムのご紹介。
こちらは国立研究開発法人日本原子力研究開発機構と株式会社千代田テクノルが、福島県の浜通り地元企業の株式会社栄製作所と連携し開発されたものです。
概要
福島第1原子力発電所の事故に伴い、環境中に飛散・沈着した放射性物質の分布を把握することは、除染作業者への情報提供や住民帰還の指標にする上でも重要なことです。
しかし従来のサーベイメータを用いた測定方法では、広範囲エリアの測定に時間がかかる他、足場の悪い場所では怪我等の危険も伴うため、事前処置が必要となり作業コストの増加が懸念されます。そのような現状のために、簡易に放射性物質の分布を広範囲に測定できる手法が求められていました。
そこで開発されたのが遠隔放射線イメージングシステム。これはドローンに放射線源の位置推定が可能な小型軽量「コンプトンカメラ ※1」を搭載。
3次元地形モデルを作成する「測域センサ(LiDAR)※2」 で作成された3次元地形モデルを利用し、コンプトンカメラで取得した放射性物質の分布を重ねて3次元で可視化します。
※1 コンプトンカメラとは?
放射性物質を可視化するカメラをガンマカメラと呼びます。ガンマカメラは大別すると「ピンホールカメラ」と「コンプトンカメラ」となります。
※2 LiDARセンサとは?
Light Detection and Rangingの略。3次元地形モデルを取得するセンサで、パルス状に発光するレーザー光を用いて対象物を走査し、反射した散乱光が戻ってくる時間から距離を計測します。
実証実験の結果
このシステムは帰還困難区域で実証実験が行われました。結果、下記写真上側のような3次元的な放射性物質の分布図の描画に成功しています。放射性物質が多く沈着している箇所が赤く示されています。
また下記写真の下側は、従来のサーベイメータを用いて取得された線量率の分布マップとなります。比較して見ると3次元図がいかに詳細かが分かりますね。
この実証実験の結果、道路やあぜ道に存在するホットスポットをドローンの飛行により可視化できることも確認されました。
今回行われた約7,000㎡という広範囲に渡るエリアでは草木の手入れがされておらず、足元も悪い状態だったようで、そのためにサーベイメータを用いたデータ取得に半日以上もかかったそうですが、開発したドローンシステムを利用することで、30分未満で測定が完了したとのこと。
まとめ
半日以上かかった作業がたったの30分弱で完了という、驚異的な効率化を実現しています。やはり人の足を使って調査するようなことはドローンに置き換えると劇的に効果がありますね。
しかも今回の技術に関しては放射性物質ということで、ドローンを活用することで作業者の被ばくや怪我などの安全面のリスクも低減できています。
このシステムは2019年度中に実用化されるとのことです。