こんにちは。本日から4月がスタート。朝の通勤途中では真新しいスーツに身を包んだ新社会人の方の姿もちらほらと見かけました。初日は緊張するでしょうね。社会人生活に慣れるまで大変だと思いますが無理をせず頑張って欲しいですね。
そして本日は新元号の発表。新元号は「令和」でしたね。万葉集からの出典のようです。
~万葉集巻五
梅花の歌三十二首、并せて序 「初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香」
初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す。
ここからの2文字をとっているそうです。世間の反応を見ていると割と好意的に受け止められている様子。いよいよ5月から適用で、今月が正真正銘の平成最後の月となります。
さて、本日は宇宙探査イノベーションというちょっとスケールの大きい話題です。
自動化建設機械による月での無人での拠点開発
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構と鹿島建設が、芝浦工業大学、電気通信大学、京都大学と共同で、宇宙での拠点建設と地上の建設技術革新のために、遠隔操作と自動制御の協調による遠隔施工システムの実現を目指し、2016年よりこの計画の共同研究を進めてきたそうです。
出典:鹿島建設
そして今年で3年となる研究開発を経て、月面で無人で有人拠点建設をイメージした2種類の自動化建設機械による実験を行い、拠点建設の実現可能性を見出すことができたそうです。
背景
将来的に月や火星に長期滞在型の有人拠点を建設するために、地上から遠隔で建設機械を操作するという無人化施工が想定されていますが、遥か遠くに離れた場所へ通信するというのはかなりの時間がかかるので、遠隔操作による作業には効率や精度面で課題が指摘されています。
一方で多くの人手に頼ってきていた建設産業では、将来の熟練技術者不足への対策に様々な取り組みが進められています。
鹿島建設さんでは建設機械の自律・自動運転を核とした次世代建設生産システム「A4CSEL®(クワッドアクセル)」を開発。15年より建設現場に適用中です。
宇宙での拠点建設に向けた通信面や精度面の課題解決策として、クワッドアクセルの開発で得た自動化施工技術を導入し、遠隔操作と自動制御の協調による遠隔施工システムの実現目指し、JAXAをはじめとした5者による共同開発を進めて来られました。
開発概要:月での拠点開発の4ステップ
出典:鹿島建設
1.居住空間となるモジュール設置場所の整地作業
2.所定の深さまでの堀削作業
3.モジュールの設置作業
4.モジュールを隕石や放射線から遮蔽するための覆土作業
これら4ステップの作業を想定し7トン級のキャリアダンプとバックホウに車体位置・方位を計測する機器や自動走行制御装置を搭載し、遠隔操作と自動運転が可能なように改造。
出典:鹿島建設
それらの自動化機能に加えて、課題解決のため以下の機能を開発し、遠隔施工システムの実現を目指しています。
・通信遅延に対応した操作支援機能
3~8秒の大きな遅延がある場合でも、遠隔操作している建設機械の操作性や安定性を損なわず、作業計画に応じた遠隔操作を可能にする支援機能。
・地形変化に対応した動作判断機能
通信遅延が生じ作業中の地形変化などがリアルタイムで把握できず、遠隔操作に困難が生じた場合に現地で計測したデータを基に、状況に適合した動作を自律的に判断する機能。
・複数建機の協調作業機能
複数の建機への遠隔指示において、干渉などの不具合があった場合、衝突回避などの応急動作を自律的に行う機能。
これらの改造をした建機を用いて繰り返し定型作業や、指定された地点間の移動・走行は自動運転、細かい調整が必要な作業は遠隔で行うことによって、月での無人による有人拠点建設の実現可能性を見出すことができたとのこと。
まとめ
月面での有人拠点の建設実現を目指しているということで、途方もないプロジェクトです。実際に月面にどうやって建機を持ち込むのか?バラして現地で組み上げるにしてもその打ち上げ費用だけでも莫大でしょう。
しかしそれは現時点の話なので、今後はどう技術が発達するか分かりません。それに月面を見据えてはいますがこの開発を進めることで、同時に地上での無人建設にも活用できそうなので、かなり有用な開発ではないでしょうか。