こんにちは。本日3月25日は日本電気協会によって制定された電気記念日だそうです。明治11年のこの日に日本で初めて電気による明かりが灯されました。
それから10年後に一般家庭用の配電が始まっています。今や電気が無くなると色々と生活が立ちゆかない程に大切なものになっている訳ですが、電気にももととなる資源があってこそ。省エネ意識と言いますか大事に使っていきたいですね。
さて、本日は太平洋セメントが開発したコンクリートの内部にRFIDタグを設置することで、構造物の歪みや鉄筋の腐食環境など各種の状態を把握できるというシステム「WIMO®」をご紹介。
簡便で効率的。新しいRFID診断技術
出典:太平洋セメント
このWIMO®にはRFID技術が使われています。RFIDとは非接触でデータを読み取ることのできる技術で、皆さんの身近なところではコンビニでの電子マネーの支払い端末や、駅の自動改札でのタッチするところなどに広く利用されています。
そのRFID技術と各種情報を読み取るセンサ技術を組み合わせ、構造物の診断技術に活用されています。構造物の内部に状態把握用のセンサと読み取り用のRFIDタグを設置することで、センサーで把握された診断情報をセンサを通して読み取るというもの。
センサとデータ通信部のRFIDタグを離して設置するので、たとえ高所であっても計測を簡単におこなえるようになります。
出典:太平洋セメント
RFID構造物診断システムの種類
RFIDひずみ計測システム
コンクリート構造物が劣化した際に発生する鉄筋の歪み。従来のひずみ計測では有線のひずみゲージや鉄筋計などが用いられ、データロガーに接続して行われます。
この方法だと躯体から露出したケーブルの劣化によって長期の測定が困難なことや、美観を損ねることが課題となっています。
出典:太平洋セメント
このシステムでは、通信部であるRFIDタグとセンサ部を構造物の内部に設置し、構造物の表面からRFIDタグに対して電磁波を与えることでセンサが起動し、ひずみの計測がおこなえる仕組みです。
計測はリードライターとパソコンのみという簡易なもので、誰にでも行えるものになっています。
特 徴
・RFIDのメモリには6回分の測定記録を保存可能
・現場で加工が不要なのでセンサの設置が容易
・専用の計測器で簡単に計測が可能
出典:太平洋セメント
RFID腐食環境検知システム
こちらはコンクリート構造物内の鉄筋が腐食する環境となったかの判断をするシステム。
コンクリートの表面に出て来ているサビの汁をご覧になったことがある方もいると思いますが、表面にまでサビの汁が出てきているとすでに鉄筋の腐食はかなり進んでおり速やかな対応が求められます。
このシステムでは塩害などの腐食環境を事前に察知し、鉄筋の腐食を未然に防ぐことを目的としています。
出典:太平洋セメント
特 徴
・躯体を損傷させることなく、簡単に調査が可能
・複数のセンサを設置することで、鉄筋腐食の恐れがある部位や範囲を特定
・センサとタグを接続するケーブルの長さを変えることで、センサ位置をデータ測定位置を任意に設定
・測定結果は色分けで表示されるので、腐食の危険性を直感的に判定可能
出典:太平洋セメント
まとめ
センサとRFIDタグを接続することで、RFIDでセンサが取得した情報を取得できるのは、かなり簡易で計測に人を選ばないというのは何よりの強みです。
センサとRFIDタグを接続している有線の長さは自由に変えられますので、高所にセンサを取り付けRFIDタグを手の届く範囲に設置することで、高所に上がる必要もなくなるのもメリット。従来の診断方法と比べると大幅な効率化となることは間違いないですね。
以前にセンサを組み込んだIoT建材があったように、こういったセンサなどのハードを素材そのものに組み込むという方向性も拡大してきそうですね。