こんにちは。本日は今年2度目となるスーパームーンの日らしいです。何やら先月よりも月との距離が近くなるようでさらに大きく見えるそうですが、この天気具合だと見るのは厳しいかもしれませんね。
さて、本日は平成29年度NEDO公募の「AIシステム共同開発支援事業」にて採択されたAIセルフレジシステムの実証実験が開始されたという話題。
モスバーガーでお馴染みの株式会社モスフードサービスと、AIベンチャーの株式会社リノシスが共同で今月15日から27日までの期間を使ってAIセルフレジシステムの実証をおこなうものです。
AIセルフレジとはどんなレジか
今回モスバーガーの実証実験で導入されるAIセルフレジは、株式会社寺岡精工の「Delious Lio」というマルチ決済・多言語対応の新型券売機をもとにして開発されてきたもの。
出典:株式会社寺岡精工
AIセルフレジの特長としては音声認識を可能とすることで、画面タッチ操作だけでなく音声での注文も可能なシステムを実装しています。モスフードサービスの協力のもと、実際にモスバーガーで働く店員の接客を分析しモデル化することで、店員と対話するように自然な流れでお客さんから注文を伺います。
出典:株式会社リノシス
その際には利用しているお客さんの年齢や性別、注文履歴に応じておすすめの商品を提示。音声注文が曖昧な場合は近しい商品を提示するなど、熟練度の高いベテラン店員のような接客をおこなうことが可能です。
背景と狙い
生産年齢人口の減少にともなう人手不足問題によって、今後の人材確保はますます困難になることが予想される他、人件費の高騰による収益性の悪化も招いています。
飲食業界や小売業界の持続的成長に向け、「テクノロジーの力で一つ星の顧客体験を実現する」というビジョンのもと多くの企業の収益性改善に尽力してきた株式会社リノシスは、今回の「飲食店におけるおもてなしのシステム化」では人手不足の解消に貢献すべく、AIを活用し自然な接客を実現するAIセルフレジの開発をおこなわれてきました。
まとめ
飲食業界でも人手不足は深刻です。昨年3月に農林水産省食料産業局が出している資料では、他産業と比較しても深刻な人手不足問題に直面していることがデータからも分かります。
出典:農林水産省
2004年から15年までの間で欠員率は約2倍。ほかの産業と比べても2倍以上も高い数値になっています。また、下グラフでは飲食業界で所定外労働の発生する要因として最も多いものが「人員が足りないため」。そして過重労働防止の取り組み課題には、そもそも人員不足のためにその対策すらとれないという回答が最も多くなっています。
出典:農林水産省
出典:農林水産省
人手不足ここに極まれりという程に深刻な現状。今のままではまだまだ加速していく可能性もある、というか加速していくでしょう。そもそも飲食業は人が少なくなるほどに残る人に極端にしわ寄せがいくので、簡単に負のスパイラルに陥ります。
マンパワーで補おうとすることで、人によってはどうやっても処理できない仕事量になったりして、結果不満が溜まり離れていき残った人にしわ寄せがいくという負のスパイラルに簡単に陥ります。
建設業もそうですが、飲食業もまだまだアナログ的な部分をテクノロジーでシステム化することで改善できる点は多く存在していると思います。
海外では事前オーダーや事前支払いを可能にすることで効率の良いオペレーションを可能にしたり、決済以外でも予約、決済、送迎までをシステム化することで店側の手間を省くなど、効率化の為に積極的なシステム化が行われています。
その内飲食にもロボットが入ってくると思いますが、そういうのを毛嫌いする人もいるでしょう。ですが飲食に限らず課題先進国でもある現状を抜け出すためにはテクノロジーによるスマート化の実現が急務であると思います。