こんにちは。本日は天気が下り坂で久しぶりに雨が降りそうですね。乾燥した日が続くと喉の粘膜も乾燥して風邪やインフルエンザがさらに猛威を奮うことになるので、恵みの雨?とも言えそうです。
近畿では大阪・京都・滋賀・三重でインフルエンザ注意報となっていますので、外から菌を持って帰ってこないようにしっかり対策していきましょう。
本日はARを用いたボルトの締結作業(鉄道車両向け)の管理システムで製造効率の向上を実現したという話題。株式会社日立製作所とYAMAGATA株式会社、京都機械工具株式会社の3社の共同開発システムとなります。
HD型端末のディスプレイを通してボルトの締結作業を管理
このシステムでは、HD(ヘッドマウント)型のスマート端末を装着し、そのディスプレイ上に締結するべきボルトの位置をAR(拡張現実)で表示します。
出典:日立製作所
その表示通りのボルトを規定の力で締めることができたかをメーターで確認できると同時に、デジタル処理で作業を自動的に管理することができる、とのこと。
これまでのやり方は?
鉄道車両製造において、機器類を固定するボルトが走行中などに緩むことがないように、確実にボルトを締めることは必須です。日立製作所ではこれまで「デジタルトルクレンチシステム」というデジタル式のトルクレンチとタブレットにより、締結力の判定・記録を自動で行うシステムを用いていたそうです。
作業者がタブレット上に表示されたボルトを選択後、連動するデジタルトルクレンチで締結作業をすることで、自動的に締結結果の照合と合否判定、データベースへの登録がおこなわれていました。
この方法の問題点
これまでのやり方の場合、作業者はタブレット上で作業対象のボルトを選択、指定する必要があったのと、作業者がタブレットで指定したボルトと、実際に締結したボルトが一致しているかの確認がシステムで自動判定することができないシステムのため、作業者と検査員が複数回に渡り安全性と品質確認をおこなっていたそうです。
従来システム+HD型スマート端末で解決
そして今回その問題を解決すべく、HD型端末のAR技術を導入することで、締結作業全体のデジタル処理での自動化の合否判定が実現されています。
ヘッドマウントディスプレイには、締結すべきボルトの3次元モデルが表示され、事前に入力した3次元モデルに付随する設計データを元に作業員を誘導。スマート端末に付属するカメラは締結作業を常時監視しており、デジタルトルクレンチとの連携で指定のボルトが規定の力で締められたかを自動的に判定。
指示通りの作業が行われたと判定されれば次の作業が表示。締結が不十分だったと判定されれば、再度の作業指示が表示されるようになっています。
作業者は従来のように、タブレット上で指定したボルトと実際に締結したボルトが一致しているかの確認に手間取ることがなくなり、ヘッドマウントディスプレイを通して効率的な作業が可能となっています。
まとめ
このシステムですが、現場実証を重ね2019年度下期の実運用を目指しているそうです。1月16日~18日開催の「第11回オートモーティブワールド(東京ビッグサイト)」にも展示予定とのこと。
鉄道車両ともなるとボルト1本1本の締結状況までもがデータベースに記録されているというのは初めて知りました。驚きですね。まあ大勢の人を乗せて日々延々と走り続けている訳ですから、1本のボルトが命取りになる可能性も十分あるでしょうし当然でしょうか。
このシステムがあれば誰にでも定量的に効率的な作業ができそうですね。