BIM活用で監視カメラの配置を検討するツール

sugitec

こんにちは。昨日は12月にしては異常なほどの暑さでした。全国の352箇所で気温の記録を更新したそうで、最も高かったのが沖縄宮古島市で29.8℃。25℃を超えた所は九州・近畿など52地点に及んだそうです。

これらは観測史上初。エルニーニョがあったとはいえ、ここまで異常なのも珍しいことです。関西では夕方から大気が不安定になり荒れた天気になりましたし、本当に夏のようでしたね。ただし、週末から一気に冷え込むそうなので十分に注意しましょう。

さて、本日も大成建設が開発したシステムのご紹介になりますが、BIMを活用して監視カメラの視認範囲をあらかじめシミュレーションで把握することで、建築空間の設計段階で監視カメラの適切な配置を検討できるというツールになります。

効率的かつ合理的な監視カメラの配置計画を可能に

ツール名は「T-Sight simulator®  Security」。このツールを用いることで、施設の内外をはじめ、より広域な街区単位で効率的かつ合理的な監視カメラの配置計画が可能となり、エリアでの監視強化や安全確保に貢献できるそうです。

通常、従来の監視カメラを配置する場合、平面図を用いて設置場所や撮影の角度などを経験的に決定しているそうで、壁や柱の配置などにより死角のできやすい建物内外の空間や、広域な街区においては事前に空間全体を漏れなく撮影可能なカメラの配置を決定することは困難でした。

確かに平面図で経験から漏れなく撮影できる配置をするというのは、狭い場所であればともかく広域となると必ずどこかに死角ができるはずで、無理があるのは明白です。

そこで、もともと2016年に劇場やスポーツ施設での観客席の配置設計に活用されていた「T-Sight Simurator®」を機能拡張。監視カメラによる空間の見通しを解析・可視化することにより視認範囲を把握可能にし、死角のない適切なカメラ配置を事前におこなえるツール「T-Sight Simulator® Security」となりました。


出典:大成建設(T-Sight Simulator®)

T-Sight Simulator® Securityの3つの特徴

1.カメラ性能(画質・画角・被写体との距離に応じた解像度)を考慮し、カメラ設置位置からエリア全体や被写体がどの程度の範囲や解像度で視認できるかを解析可能。カメラ死角やカメラ角度が遠いために有効な解像度が得られないエリアも把握可能。

2.対象エリアに設置された全てのカメラの映像に基づくエリア全体や、被写体の視認状況の解析結果を1枚のマップにまとめて色別の表示などで可視化。対象のエリア内でどの程度視認できるかを一目で確認可能。

3.シミュレーションにはBIMを利用しているので、複雑で大規模な建築空間や広域な街区でもカメラ配置による視認状況の解析、可視化を数時間で完了でき、迅速に評価が可能。このためカメラ配置を繰り返し効率的に検討することができ、合理的なカメラ配置計画の策定やカメラ台数の適正化に有用。

大成建設では、今後防災、防犯を目的として、駅や空港等の交通施設、商業施設、スポーツ施設などの不特定多数の人が利用する施設や、より広域な街の監視強化や安全性確保などのニーズに、このツールを適用。

他にも工場や倉庫などにおける作業状況やセキュリティの監視強化、医療・福祉施設での利用者の見守り強化など、幅広く活用していくということです。


出典:大成建設

まとめ

どんなカメラにも映せる範囲である画角が存在しますし、配置次第でその画角に入らない死角というものは出てきてしまいます。基本的に余程ずさんな場合を除いて、死角になる部分は映らなくてもいい部分として考えられているので問題はありません。

その死角をなるべく無くす為に上の図にもありますが、最適化できていなかった通常のやり方ではカメラの台数が必要以上に多いという結果になっていますが、ツールを使ってシミュレーションで可視化することで5台分も削減することができています。

物販店舗でこの結果なので、大規模な施設になるとかなりの台数のカメラが削減できそうですね。

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