こんにちは。今年も残り1ヶ月半程になった訳ですが、ここまで様々な技術が出てきた中で、取り分け多かったのがやはりドローンを活用した技術ですね。
土木・建設業界とは特に親和性が高いので様々な活用がされるのは当然ですし、人手不足を解決するためにも必要な技術のひとつであります。
本日ご紹介するのは、ドローンを活用したレーザー測量を低コストで運用できるようにした、代替技術のご紹介。
従来のUAVレーザースキャナ普及の足かせとなる価格面を解決
テラドローン株式会社と早稲田大学スマート社会技術融合研究機構主任研究員の鈴木太郎氏が共同開発した、「Terra Lidar」という独自技術によるUAVレーザーシステムが、その従来品の代替となる技術。
出典:テラドローン
従来のUAVレーザースキャナでは価格面が普及の足かせとなっていたそうですが、この独自開発の「Terra Lidar」を使用することで、価格を従来の1/3にまで抑えることができるようです。
UAVレーザー計測のさらなる普及を目指したモデルで、現在2019年1月からの販売開始を見据えて、実証実験やモニターレンタルを実施しています。
従来のUAVとTerra Lidar
従来のUAV搭載型レーザーシステムは、高価なジャイロセンサーを必要とするために、その価格は1500~3000万円と非常に高価なシステムが主流になっているのが現状です。さすがにそれでは普及できないですね…
出典:テラドローン
しかし、今回開発の「Terra Lidar」では、ジャイロセンサーを必要とせず、GNSS(全地球測位システム)のみで高精度測位と従来の1/3という低価格化を可能にしています。
また、この技術では従来のシステムで飛行開始時と終了時に必要だったイニシャライズ飛行が不要になるため、現状で20~30分程度のUAVのバッテリー時間を2~6分節約する他、イニシャライズ場所の確保や複雑な航路の操縦などといったオペレーターの負担を軽減。離陸直後からの測位を可能とします。
出典:テラドローン
まとめ
ドローンでのUAVレーザースキャナがどれほど便利で効率化ができるものだったとしても、さすがに最低でも1500万円以上の価格が必要となると、スーパーゼネコンは別として中小企業がおいそれと導入できるものではないですね。
この「Terra Lidar」は500万円からということなので、価格面でかなり導入のハードルは下がっているのではないでしょうか。
以前にドローンのGPSの代わりに、測量に使うトータルステーションで位置情報を計測し自動運転を行うという技術がありましたが、既存の技術を代替えできる自由度の高さはドローンならではでまだまだ可能性を感じます。