傾斜監視システムとドローンサポートの連携でインフラ確認を可能に

sugitec

こんにちは。先週から某社のオイルダンパー不正問題が世間を騒がせていますね。開発サイドは優秀な技術者の集まりだったそうですが、やはり会社全体で責任・倫理観を等しく持っていないと、製品の本来あるべき品質も保てないものだと思います。

一部、納期を優先するがために改ざんをおこなったそうですが、この問題は企業であるのは勿論ですが、日本社会全体として近年の行き過ぎた合理化なども問題としてあると思います。

利益や効率化、コストカットなどの多くの物を追い求めすぎて、余裕のない世の中になっているのはその合理化の代償でしょう。その辺りを変えていかなければ、組織で動いている企業内の歯車はどこかで狂い、不正に手を染めることになるのではないかと思います。

不正問題はこの辺にしておいて、本日は以前にご紹介したことのある西松建設の開発した「OKIPPA」というLPWAを使った傾斜監視システムと、株式会社スカイシーカーの提供する「skyseekerドローンサポート」サービスを連携するというもの。

サービスの連携で災害時のインフラ施設などの確認が可能に

災害の際に、河川が氾濫したり道路が寸断されたりしてアクセスができなくなることがありますが、その際の確認作業がOKIPPAとドローンの組み合わせでできるということになります。


出典:西松建設

どのようなシステムになっているのか?

まず西松建設さんのOKIPPAですが、これはGPSとLPWAという通信機能が組み込まれた、各種データを取得できるセンサーになっています。


出典:西松建設 OKIPPA

今回はインフラなどの傾斜を観測できる「OKIPPA104」が使用されており、これが災害などで傾斜データのしきい値を超えると、装置のGPSデータを基にドローンが自律飛行をおこなって現地の状況の映像を捉えるという流れになっています。

通常では現地に状況確認をしに行かないと分からなかったものが、安全に状況確認ができるようになります。


出典:西松建設

メリットと特長

メリット1.現地に行かずとも映像での状況確認が可能
現地に行かなければ傾斜データ以外の状況が把握できなかったものが、安全な場所から映像で状況把握ができるように。

メリット2.飛行および撮影が容易
OKIPPA104のGPSデータを基にして予め飛行ルートと撮影パターンを設定しているので、確認対象の誤認などのヒューマンエラーの防止や、飛行準備と飛行の時間が短縮されスムーズに状況確認ができます。

特長1.OKIPPA104のGPSデータをもとに現地確認可能
OKIPPA104のGPSデータを飛行ルート設定に活用することにより、確認したい現地と飛行ルートの確認が容易。

特長2.OKIPPA104傾斜アラームに連携して、ドローン飛行メニューの選択
OKIPPA104の傾斜データがしきい値を超えた際に発報するアラームメールにドローン飛行ルートナンバーが明示されるため、ドローン操縦者はそれに従いドローン飛行が可能。


出典:西松建設


出典:西松建設

まとめ

災害時にドローンで被災状況を確認するというのは、昨今よくある話ですが、それの場合どこが被災しているのか飛ばしながら確認をするしかないのが問題点です。

これはOKIPPAというセンサーデバイスを設置することで、どの場所が被災したのかを瞬時に把握できるので、効率よく迅速にドローンを向かわせることができるのが強みでしょう。

あらゆる場所に設置しておくことで、より素早く状況を把握できそうですね。

そんな沢山のセンサーを設置できるのかという疑問はあると思いますが、OKIPPAはLPWA(Low Power Wide Area)を使用しています。

LPWAはその名の通り、約2年間電池交換が不要な省電力と、通信速度が遅いですが最大で50kmという広範囲のデータ伝送を可能にするSigfoxという規格が使用されています。1回線あたりのコストもかなり低価格(基本年間数百円程度)。

低電力、長距離伝送、低価格がLPWA(Sigfox)のメリットです。通常のセンサーよりも大幅なコスト削減になるので多数の設置も容易でしょう。

IoTでの利用に非常に向いていると言えますね。このLPWAデバイスとドローンの組み合わせは広がりそうです。

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