こんにちは。毎日残暑厳しい日が続きます。総務省消防庁の速報値では、先週、全国で熱中症で救急搬送された人の数は5,890人。昨年の同期間は4,362人だったそうなので、1,500人強多かったということになります。
さらに、5月から8月26日までの期間で見ると、昨年49,376人に対し今年は89,305人と、約4万人も増えています。如何に今年の夏の暑さが異常なのか分かりますね…くれぐれも気を付けていきましょう。
【参照:総務省消防庁 熱中症資料】
さて、本日は廃棄物の処理場などに敷設する遮水シートの品質検査結果をタブレット端末とGNSS衛星測位システムの活用で見える化し、効率的に管理できるシステムが実用化されたということで、そちらをご紹介。
GNSSとクラウドサーバーを駆使した「遮水シート施工検査支援システム」
こちらは清水建設と菱友システムズとの共同開発のシステムとなり、実際に昨年の7月から福島県大熊町の中間貯蔵施設にて使われているようで、検査結果をクラウドサーバーで一元管理することで、検査作業が効率化されることが実証されています。
これにより検査箇所の重複や検査の漏れ、記録のミスなどを防止することができます。
開発背景
中間貯蔵施設の土壌貯蔵施設は、除染によって発生した除去土壌等の貯蔵のため、放射性物質の漏洩がないように遮水シートを敷設し、敷設室後に遮水性能を確認。
しかしその検査は記録用紙に手作業で記入をするというもので、検査箇所の重複や検査漏れ、記録ミスなどが極力おこらないように時間をかけて慎重におこなうというスタイルでした。
いくら慎重におこなってもミスはあるでしょうし、慎重におこなう分時間がかかり過ぎるのでその部分の効率化が課題だったそうです。
遮水シート施工検査支援システムで効率化が実現
このシステムの構成はタブレット端末と、可視化用に開発されたアプリケーションと、GNSS(Global Navigation Satelite System)衛星測位システム、これら3つで構成されており、ネット環境さえあればどこからでも利用ができるというものです。
出典:清水建設
検査員が付けた2局のアンテナと受信機を使って、位置情報を5cm以下の誤差でリアルタイムに自動検知ができるそうです。その位置情報を基にアプリで検査済みの箇所をクラウドに保存した遮水シートの図面上に点や面で見える化。
出典:清水建設
検査結果と共に一元管理することで検査作業の効率化を図ります。クラウドなのでタブレットや現場事務所のパソコンから、ネット環境があればリアルタイムに検査済み箇所や不具合箇所を遮水シートの図面上で確認できるので、重複や検査漏れを防止できるという仕組み。
まとめ
この業界のソリューションで多いのは、元々手書きで検査などしていたものをデジタルに置き換えるという「アナログ→デジタル」への移行パターンのものが多い印象です。弊社のSINQAアプリもそうですね。
人が記録するアナログ作業は、どうしても個人の思い込みなどの要因でミスを100%防ぐことはできませんし、作業スピードにも限界があります。
アナログでやっている作業をどうデジタル化するかを考えるだけで、一つの大きな省力化・省人化のソリューションが出来上がる可能性は高いと言えます。