手軽にできる農業分野の計測監視システム

sugitec

こんにちは。先々週からずっと続く暑さで、京都では1週間連続38℃を超え過去最長記録だそうです。24日に開催する予定であった祇園祭の花傘巡行も酷暑の予測で中止となったようですね。

さすがにこの暑さ、熱中症で倒れる方が出てからでは遅いですから、これは懸命な判断だと思います。更に、本日埼玉県熊谷にて、国内観測史上最高気温となる41.1℃を記録したそうです。

40℃になると人の大脳にも影響が及ぶそうなので、もはや生命に危機が及ぶ気温です。かなり危険です。今後も暑さはしばらく続いていくようなので、昼夜問わず熱中症には気を付けていきましょう。

さて、本日は農業分野のIoT関係の技術のご紹介。農業関係とは言え、それを開発しているのは西松建設さんです。

LPWAとIoTで計測監視

農業をされている方向けに開発されたシステムで、畑やハウスなどの温度や日照の監理が現地に行かずとも把握できるようになるという便利なものです。


出典:西松建設


出典:西松建設

これには今世界的に普及しているLPWA(Low Power Wide Area)という通信技術とクラウドシステムを応用して開発されています。

LPWAとは?

LPWAとはLow Power Wide Areaの略で省電力広範囲、少ない電力で広い範囲での通信を可能とし、しかも低料金という無線技術。おなじみのBlueToothやWifiという通信技術とはまた違う特長がある通信です。

LPWAの中にも、国や免許などで様々な規格が存在していますが、「SIGFOX」「LoRa」「NB-IoT」という3つの規格が代表格とされています。

Wifiなどは通信速度は早いですが、その分電力消費も大きく通信距離もそんなに広くありません。LPWAの場合は、電池だけで数年もつ程に省電力で、通信距離もSIGFOXなどは最大50kmまで届くようです。デバイスの維持費も年間で100円程度という破格の安さ。

ただし、通信速度は極端に遅く100bps~100kbpsという一昔前の電話回線のインターネットレベルです。しかしIoTで活用する場合は重いデータを頻繁に送るようなことはないので、IoTに最適な通信技術と言えます。

今回ご紹介の計測監視システムはSIGFOXを採用

これは元々西松建設さんが開発したLPWAを活用したインフラ施設などの傾斜を監視する「傾斜監視クラウドシステム(OKIPPA)」を応用したものとなります。


出典:西松建設

システムのメリット

1.現地に行かずとも温度や日照の監理が可能
これまでは畑やハウスに行かなければ温度や日照が把握できなかったのが、自宅にいながらにして畑やハウスの状況を把握できるようになります。


出典:西松建設

2.農作物に最適な積算温度・日照時間が計測可能
これまで営農家の経験によって収穫時期は決められていましたが、積算温度・日照時間が把握できることにより、データに基づいた最適な収穫時期が分かるように。

特長

1.LPWAの内、SIGFOXを採用。日本では17年より京セラコミュニケーションシステムが事業者となり、商用サービスが開始されています。

2.傾斜監視クラウドシステム(OKIPPA)のノウハウを生かし、センサBOXの設置だけで稼働。乾電池のみで配線は不要。1年程度に渡って電池交換は不要。

まとめ

このような温度データなどの数値データであれば、LPWAの極々遅い通信速度でも苦もなく送信できます。まさにIoT向けの通信規格ですね。

今まで個人の経験や勘によって決めていた見えない部分がこれにより可視化されます。経験や勘は大事ですが、それを如何に他人にも理解できるように「見える化」できるか、が今の時代では求められています。

労働者や後継者不足の業界の処方箋となるように更なる技術の普及を望むばかりです。

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